朝、Cafe Kanteでコーヒーとクロワッサン。
12月5日。
その後、寒空の下、ユダヤ博物館へ。
ヨーロッパ最古のゲトーはフランクフルト。
その歴史がかつて存在した場所に復元展示されている。
足を踏み入れて何百年という空気を感じる。



そのまま歩いてフランクフルト現代美術館。
これまた建物がとにかく素敵。
ずっと居られる。



実際、バイクに乗ってる感覚で観られる映像の前でずっと座っていた。
可笑しいのは部屋に入る度にスタッフが立ち上がって怪訝な顔でこっちを見ること。
現代美術館に眼帯、悪くないだろ?
カフェでランチにビーガンリゾット。
クランベリーが効いてて美味しい。



劇場に戻り、荏開津さんのパネルディスカッションに参加。東京とフランクフルトのヒップホップ事情を話し合うもの。
最初はこっちの事情とかを話してたんですが、徐々に男女差の話でヒートアップしていく。
劇場スタッフでもあるジョアンナが特に熱くて、ヒップホップに女性がいないと言うけど、スポットライトを当ててないだけで最初からいるよ!と言う。そこで、その通り。1973年8月10日の初めてのヒップホップパーティーはクール・ハークの妹の制服を買う為に開かれたんだよ、と話す。
あっという間に1時間半が過ぎる。

続いて18時からは僕のワークショップ。
と言っても内容は変更、土曜日のクルーライブの為のミーティングをやる事に。
でも、始める前に…昨日の出来事、つまりドイツ語わからない人にも話しかけるの?どうなの?とか。
フランクフルトの外にも持っていけるパフォーマンスをやるのか? フランクフルトで普通のヒップホップパーティーやって楽しかった、で終わるの?とか。
わざと激しく聞いてみた。
そして、全ての選択肢は君たちが持っている。
これはワグナーのプロジェクトだ。
物語はハッピーエンドでもバッドエンドでも有り得る。僕らはどちらでも良い。それがドラマだからだ。
でも、ハッピーエンドに出来るのは君たちだけ。自分たちで考えよう。
ちょうどスコセッシのアイリッシュマンを観ていたので。
「アル・パチーノはこう言うんだ。遅れる、あるいは現れない、というのもメッセージだ。今、来てないやつもいるよね?映画のはギャングスタートークだけど。僕もメッセージは受け取れる
よ。」と話す。





そこからcrewのミーティングはやはり発言も多く、互いに意見を交換していく。声の小さい人にも1票はある、という事で進め方の投票もすることになった。
さて、crewの女の子たちの面倒を見ているソーシャルワーカーがいて。彼女が途中から仕切り出して、教育的側面から、みたいなスタンスで介入してくる。
最後はみんなをまとめて別の部屋でミーティングとか言い出したので、遮ろうと僕が話し始めると一部の女の子たちは無視してソーシャルワーカーについて行くので…
俺の話を聞け〜、ってクレイジーケンバンドじゃないけど。
人の話を聞かないで、自分の話、ラップだけ聴いてもらおうなんて虫が良いと思わないか?繰り返すけど、どういうスタンスでパフォーマンスをやるのか?は君たち次第だよ?
という話をする。





更に。この後、君たちに観てもらう為に用意されたライブのプログラムがある。
それを観ないでミーティングをするのはOKだ。
でも、ちゃんと「自分たちはライブを観ないでミーティングを選んだ。」と自覚して欲しい。
言われたから、とか、これしか方法が無いから、ではなく。ちゃんと全ての選択肢を検討して行動に責任を持とう、という話をちょっと激しめに伝える。

実際の効果は分からないけど、crewの面々はやっと本気を出したようで自分たちでパフォーマンスの内容をどんどん決めるようになった。
個々に話すとみなやる気だ。
女の子たちもやって来て、さっきのdisrespectはごめんなさい、と謝ってきた。ドイツ人には珍しい行動、とのこと。
ちなみに…最初に積極的に話しかけてきたCoodiniはここ2日ほど、全く僕には話しかけて来なくなった。不思議。

ライブはメルティングポットというクルーのショーでなんと3時間もやるので、腰が痛くなって来た。でも、毎日ワークショップにも参加してるJJのライブは凄く良かった。10代の女の子の全開のパフォーマンス、ラップもめちゃくちゃ上手い。

終演後も残ってるcrewメンバーがそれぞれやり取りしてるのを見る。
土曜日、楽しみだなー。

風呂入って就寝。

photo by @jeannettepetriphotography 

宇宙平和