12月4日、水曜。
朝、起きるとちょうど荏開津さんとsnipeさんがゴミ出ししてるところ。
そのまま一緒にsnipeさん達が描いた壁を観に行く。朝も冷えてきた。
そのまま我らがCafe KanteにSnipeさんと行って朝食。




今まで何度も接点がありそうで、やっと現場が一緒になったわけだが。
YOU THE ROCKさんのGraffiti Rock98、これは僕にとっても大変大きな作品なんですが。あれのブックレットの話とか。ヨーヘーも参加してる。
Night FlightにSnipeさんが出た時の話とか。
その後、心霊フリースタイルの話でも盛り上がる。
あとで観た観た!爆笑でしょ、あれ、やばい!と言ってました。

これね。







Cafe kanteのチョコケーキ、2.5ユーロでマジでかい。

戻ると原稿を一本書いて送る。スマホで書くの大変…
15時ごろcrewメンバーが何人か集まってきたのでミーティング。
Senzという28歳でキャリアも割とある奴が「こんな機会なのにちゃんと集まることもできないのが寂しいよ。みんなで考えたらきっとすごいことが出来るのに!」と言っている。
さて、あと3日でcrewのショーケースを自分たちで形に出来るか?

ワークショップは地元のラッパーArriorによる心理学におけるフローというミハイ・チクセントミハイが提唱する概念とラップのフローを絡めた話。要は変性意識状態に持っていく説明で、フリースタイルにおけるゾーンの話。彼はラジオみたいに受信できる状態を保つ、と話していた。
さて、ここで敢えて流れを変える意味でも英語でラジオよりも門を作るイメージが良いのでは?と提案。
門は出迎えて、送り出せる。より中動態的で、エネルギーのフロウが一方通行ではなくなる。
頭の中に門を作ろう、という話。
さて、英語で話し始めたのはドイツ語で行われているコミュニケーションをシフトチェンジする狙いもあったけど。次に話したCoodiniがまたドイツ語で話し始めたので介入を止める。ドイツ人は基本みんな英語は出来る。
″誰を″相手に喋るのか?という視点の提供だったんだけどね。

続いてGianniというラッパーのビートアプローチワークショップ。
僕の眼帯が気になってる人も増えて来た。そこで何人か眼帯モデルを頼む。みんなノリノリで付けてくれる。

通訳も務めてくれたテレサ
インターンのラウラ
ラッパー、JJとポッドキャストをやってるジョシュア


ライブが始まる。最初はRewe city crime boyzというオッヘンバッハの美大生クルー。Graffitiもやる。Coodiniがやって来て、この曲はフリースタイルだからお前がラップするべきだ!みたいに煽ってくるので仕方ないなー、とマイクを取って全編英語でフリースタイル。ちゃんと盛り上げて乗り切る。
その後、crewで唯一英語のラップにこだわる CraryことNoahも参入。
終わったあと、彼からお前はdopeだったよ!と言われる。都度都度、証明しなきゃ行けないから大変だ。Dont test the masterには程遠い。
Rewe cityの面々からは後でめちゃくちゃビガップされた。




Arriorのライブは懐かしい90ノリにブレイクダンスとかも絡めて。ライブ後、DJのQ-RUSHとその辺の時代の話で盛り上がる。

さて。
Gianniのライブ。最近のモードを上手く採り入れたステージで人気もある。
割りと前の方で観ていたら、ドイツ語で何かMCした瞬間に周りのドイツ人が全員座った。
僕だけポツンと立っていた。
はーあ、とガッカリして輪から外に出る。
要はこのラッパーは僕には話しかけてない、という事だ。
自分に話しかけていないラッパーのラップを聴く意味は無い。
最後にはフランクフルト出身のやつは手を上げろ!俺たちの歌だー、みたいなノリで。
なるほど、身内ノリで良いのね。

別に冷静なんだけど、これが疎外感を生む視座だ。移民の街に期待していたものはまだヒップホップを通しても実現出来ていない。

もし、僕が客席に数人日本語がわからない客がいるとわかっている時は英語のMCも混ぜる。彼らにも表現を届けたい、という姿勢を見せるためだ。
ラップ自体は自分の表現なので好きな言葉でやれば良い。視点、姿勢の問題だ。

僕はcrewのオーディションの時にアラビア語でラップするドバイ出身のTrillyと英語でラップする、アメリカ人の父親を持つCraryを選んだ。
これも様々な視点がある、というメッセージ。

ワグナーのマインスタージンガーとは新しい歌手が街にやってきて、街のCodeを書き換えるという話。つまり新たな視点の提供だ。

日本の演出家、高山明と日本人のスタッフがフランクフルトにやって来て上演している。
その視点をどう理解するか?

この話を今度、crewにしてみる。
反応は楽しみだ。

Graffitiのツアーで本日のプログラムは終了。

高山さん、戸田さん、荏開津さん、田中さんとフランクフルト中央駅の中華。
めちゃくちゃ辛い麻辣麺とめちゃくちゃ美味い水餃子と羊肉の串焼きを食べる。






夜はマイナス1度。




劇場に戻り、風呂に入って就寝。

宇宙平和