沖縄の県民投票。
7割が辺野古新設に反対。
その翌日の今日、変わらず土砂は投入され、防衛大臣は一つの民意という謎の言葉を語った。
一つの自治体の一つのイシューに対する一つの民意。これが聞き入れられないなら、47都道府県どこに住んでても同じだ。
え? もしかして沖縄だけ違うと思ってる?
それをなんと呼ぶでしょうか?

で、国民(沖縄含む)の代表である、我が国の総理大臣は…結果を真摯に受け止める、という言葉の後、引き続き辺野古基地建設への理解を全力で務めるとか。今まで反対派の人と話してる形跡が見当たらないんですが…
いや、県民の民意の理解を深めてください。超わかり易く出てたから。

言葉が死んでいる。

投票に行った人たちの事を一ミリでも考えたなら玉城知事との話し合いまで土砂は投入しない、くらいの分別は無いのか?

さて、前提条件を整理すると。
95年の沖縄少女暴行を機に96年に日米で普天間返還は合意されている。
後にオバマ大統領も語っているように米軍のグァム移設も含めた選択肢があるのだが。

米軍に出て行って欲しく無い日本側から提案されたのが辺野古新設案で、これは元々60年代にあった案を掘り起こしてきたものだ。
普天間返還と辺野古新設をセットで語っているのは日本側だというのがポイント。
つまり、普天間返還はそれだけで進めて良い案件だったのを辺野古セットにしたのは日本側だ。

さて、その辺野古ですが。
環境破壊という"美しい"日本の国土の問題はもちろん。
そもそもこの基地は完成するのか?
マヨネーズ状の軟弱地盤がある事は前から分かっている。
深さ70mー90mの地点には砂で出来た杭を70,000本打ち込む必要があり、これは世界でも類を見ない工事になる。
さらに、現時点で日本にはこの作業が出来る船は二隻しかなく、さらに90mに関しては出来るかどうかも分からない。
なので工期は未定、工費も天井知らずで未定。
こうした事業で得をするのは工事している業者のみだと思いますが…
さて、この基地が出来たらどうなのか?
滑走路がV字型で距離が足りない為、普天間の機能をそのまま移設は出来ない。
米軍側からも使い物にならないのでは?との意見も出ている。
普天間にいるのは海兵隊の司令部機能を中心とした2000人ほどの部隊。
もちろん現代の戦争で海兵隊が先陣を切る事は有り得ず、この部隊がどこに駐留していても抑止力にはならない。
作戦展開上、東アジアに駐留していれば機能するのでグアムという案をオバマ大統領は語っている。
日本に駐留する利点は経費が安いからだ。
日米地位協定では基地費用は米側が持つことになっているが、思いやり予算という形で日本が援助している。
しかも日本側から基地を提供されるのであれば、米側として断る理屈はない。

猿田さんがNDで提案していたグアムなどに米軍が移動した上で高速艇などの援助を日本側がするアイディアもある。


僕なんかは普天間を返してもらって司令部機能は築地で良いじゃねえか?とさえ思う。

なので!辺野古反対は普天間容認と言うのは詭弁で、わざと言ってるのか?知らないのか?のいずれかです。
普天間の海兵隊に抑止力はありません。
辺野古に基地が出来るかどうかが分からない中での土砂投入はただの自然破壊で有り、嫌がらせです。

その上で。
辺野古で無ければならない、と言うのであれば説明が必要であり、自治体から反対された以上、代案を考えるのは沖縄ではなく日本政府の課題だ。
菅官房長官の会見での発言はそういう意味でも大変残念なものだった。
政府に伝える義務が生じた投票結果に対してコメントする立場にない、と言うのも意味が分からない。

日本が主権を"取り戻し"、日米が対等な同盟関係を築く事を目指すのであれば。
米側との交渉において今回の結果は大変有効なはずだ。
鳩山首相が最低でも県外、と言った時は実現されなかったが、沖縄の基地負担を軽減するまたと無いチャンスなのは明白だ。
今、日(沖縄含む)米は親密だと言われてるのだから話せるはず。安倍首相、出番です!
もし、やる気があるならば、だけど。

安全保障上の議論ならば当然日本国民全員の問題であり、唯一の選択肢が沖縄だけ、なはずはないし、僕がこんな記事を書いているのもそう思うからだ。

あ、ちなみに投票率の話ね。
これ、他の選挙でも言ってますが。
投票に行かない人は結果に対しての白紙委任をしていることになります。それ自体の是非はさておき、投票に行かなかった人は反対7割、と言う結果を受け入れている事になります。
変な数字の解釈をしている人が政治家にもいるくらいで…あなた達も選挙で当選したはずなのに。

自民、公明支持者の投票傾向も興味深い。
賛成、反対いずれにせよ自分たちの生き方や考え方と向き合った事だと思う。

現政権が、この民意を受けても方針を変えないのであれば。
僕らに出来る事は一つしかありません。

今年はどうやらそういう年になりそうですね。




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