クラブとクラブカルチャーを守る会(CCCC)

実は先週の頭に集まってミーティングしてから参加出来るメンバー総出で色々なことを調整していました。会のメーリングリスト・・・とんでもないことになってます・・・

それは何故か。昨日ニュースにも出ましたが、超党派60余名によるダンス文化推進議員連盟(ダンス議連)が20日に立ち上がり、その設立集会で第一回目の業界団体ヒアリングがあるためでした。第一回目のヒアリング対象がクラブ事業者団体でした(ただしこれも決まったのは先週)。
 ヒアリングとは具体的には風営法見直しも含めたダンス文化を考える際に、それぞれの業界の事情を議員が把握するためのプレゼンタイムと質疑応答です。

 クラブとクラブカルチャーを守る会をとにかく、団体として立ち上げたのはこの議連のヒアリングに対応するためです。以前にも言いましたが、社交ダンスやサルサ、タンゴにはそれぞれの窓口がありますがクラブ事業者の窓口は存在しません。
 現在は共闘している日本ダンスミュージック連盟(FDJ)がありますが、これはクラブに限った連盟ではありません。CCCCも実はクラブ事業者による団体ではないのですが、クラブ事業者と話が出来る立場のアーティストが中心となることでクラブ業界の代弁をしていく機能を担っていく。その為の急な立ち上げだったのです。

 実際に法改正をするのは国会議員です。その国会議員に意思を伝えなければ、こちらの希望は何一つ届きません。TWITTERやBLOGでいくら訴えても、こればかりは無駄なんです。実際に行動しないと届きません。

 ヒアリングの機会は参院選の前にも何回かあると言われてましたが、社交ダンス、警察などそれぞれの時間があるので最悪1回しか全体へのプレゼンは出来ないかもしれない。そこでしっかりアピールしておかなければ次は無いぞ!ということです。その1回目のヒアリングがクラブ事業者対象と決まったのが先週。そこから怒涛だったわけです。

 これもご存知の方も多いと思いますが先行して活動していたlet's Dance(自分も賛同人です)が15万筆以上の署名を集め、提出集会を17日に行いました。実際議連立ち上げのタイミングに合わせたはずが議連立ち上げが遅れたため、提出記念パーティーでしたが・・・
 let's Danceの動きがあったからこそ議連立ち上げにも繋がったし、メディアの注目も集まっていると思います。ただ、let's Danceはダンス項目削除!ダンスする権利を訴える!という目的の団体です。この主張だけだとクラブの実情を反映出来ません。クラブは不特定多数の人を集めて音楽と飲食を提供し、深夜営業しています。クラブの在り方を問う活動はlet's Danceには託せないので別団体が必要なのです。
 ただ、風営法に耳目を集め、国会議員のモチベーションを上げていき、法改正に具体的に動いてもらうという大きい目的は一緒です。この日も衆議院議員会館は満員で、ダンスのパフォーマンスと議連の議員、ダンス業界関係者のスピーチが続き有意義な会でした。僕も一言しゃべりましたが、風営法見直しの機運の高まりは肌で感じました。

 その水面下ではCCCCによるプレゼン資料作成が続いていました。
プレゼンを担当するのは代表代行であるcoldfeetのWatusiさん。そのプレゼン内容を映像と紙資料にまとめる作業をみなで考えていました。どこをアピールし、どういった表現を使うべきか。ライターの磯部涼氏に原案を頼み、全員で推敲しながら進行しました。
プレゼンは10分。構成と流れ、いわゆるパンチライン。

 紙資料と映像作成はマイケル氏が担当、映像へのナレーションはWasei氏。
これが・・・実に素晴らしい仕上がり。内部資料のため公開は出来ないのですが、いずれ会として発表出来る機会があればと思います。

そんな話し合いの中で広報担当が必要だ・・・という流れから。
 
僕が就任しました。クラブとクラブカルチャーを守る会の広報の眼帯です。

 ただ新聞社などに顔が利くWaseiさんが補佐(というか実質的作業全般)してくれています。
ダンス議連の立ち上げのタイミングで集まってくるメディアにクラブをアピールすべき!ということで多くのメディアに声がけをしていくことになりました。
 朝日新聞は以前から文化面で取り上げていました。また、毎日新聞は規制大国日本という切り口で経済面での連載で取り上げてもらうことに。
 NEWS23はかなり以前から取材を進めていました。そして、このタイミングでNEWS ZEROも取材に来ました。他にも報道各社が取材に来ることが分かりました。
 そこにクラブをどう取り上げてもらうべきか?
特にテレビが持ってる映像素材だとどうしても隠し撮りのような映像、或いは芸能人がはしゃいでる系の客にモザイクがかかった怪しい集会のようなものばかりです。
 先日のオランダ新国王即位会のようなパンチのある映像があればいいのですが・・・日本では風営法の営業規制の下、クラブのピークタイムの映像素材は公式には存在しないのです。これも法の弊害と言えるでしょう。だって・・・クラブに行ってる人ならみんなが知ってる光景ですからね? 

木村コウさんがふと、elevenが5月で閉店するからその直前なら頼めるのでは?というアイディアを思いつきました。ちょうど、そのタイミングでDJ Q'HEYさんがelevenのお別れパーティーでDJがある。これは聞いてみましょう!
 ただし、20日の議連立ち上げまに素材を提供しないといけないので時間はありません。ダメ元でQ'HEYさんに掛け合ってもらったところ・・・elevenさんから快諾の返事が!
閉店直前というタイミングでしか有り得ない、メディアによる営業中のクラブの取材が実現しました。快哉!

18日、僕は新宿タワレコでタケウチカズタケ&ALI-KICKによるUNDER THE WILLOW KITCHENへ出演し、JBのSAY IT LOUD!I'm BLACK AND I'm PROUDをネタに作ったトラックであれこれトークしてセッション(滅茶苦茶楽しかった!)してから西麻布へ。

 elevenはTimmy Regisfordが回すとあってオープンからかなり人が入ってました。年齢層も割りと高く、多国籍。またお店へ名残を惜しみながら遊びにくる人も多数でした。メディア数社を来るたびに案内しながら撮影してもらい、コメントをとる。不安もありましたが・・・どう撮影したところでピースフルなヴァイブスしか映らないだろう!ってくらい素敵なパーティー。お客さんみんなが最高に楽しそうでした。実際に月曜日にNEWS ZEROとNEWS 23ではこの時の映像がクラブの現状を語る素材として使用されました。

 elevenの英断には拍手です!でもって、その背後には。クラブというのは楽しい場所である、という絶対的な自負があります。クラブの楽しさ。クラブでの出会い。クラブの素晴らしさは普段遊びに行く人なら絶対に知ってます。それを知らない人にも共有してもらいたい。クラブとクラブカルチャーを守る会としての基本をそこで改めて感じた次第。

 elevenは25日まで営業しています。ビルの改装による閉店ですが、それまでにしっかり踊りに行って楽しみましょう!今夜のDJ NORIさんの夜は特に音が良いとのコトです。
 
 そんな取材対応と平行して資料作りは続いていました。プレゼンするWatusiさんの元に完成版がまとまったのは20日の朝でした。

 会議は20日の14時から参議院議員会館。12時からマイケルさんらがセッティングで入っています。僕が会場に着くころには皆が準備であたふたしていました。
 マイケルさんは資料作成全般やった上に会場でのプレゼンの映像出しも担当していて八面六臂の活躍です。また、この風営法問題にずっと関わっている斉藤弁護士、立石弁護士の両名は連日連夜の議員や他ダンス団体との交渉、そしてCCCCの集まり全てに全力で動いています。この日もずっと忙しそうでした。Watusiさんのプレゼンの応援に武内享さん、木村コウさん、Waseiさん、
Sazanamiさん、ヒビキラーと僕が駆けつけてました。ただ、本番は座って見守るばかりでしたが・・・

 ダンス議連は会長に自民党の小坂憲二議員が就任、挨拶をします。
社民党福島瑞穂議員(Lets Dance集会では踊ってましたね)、自民党秋元司議員、生活の党森ゆうこ議員らが出席していました。

 そこからヒアリングのトップバッター、CCCCからWatusiさんです。
映像が映し出されると・・・感嘆の声が!まあ、これは大迫力でした。
その後、クラブミュージックの文化面でのアピールに入ります。
以下、その内容を箇条書きで。実際は映像の後、Watusiさんがプレゼンしています。
 
●世界では空前のクラブミュージックブームである!
ラスベガスのクラブミュージックイベント、エレクトリック・ディジー・カーニバルは25万人の集客。
グラミー賞では10年以上クラブミュージック系アーティストが受賞を続けている。
レディー・ガガもクラブミュージック出身
オバマ大統領の応援にJAY-Z&BEYONSE夫妻が駆けつける。
ロンドン五輪開会式でのアンダーワールド。閉会式でのファットボーイ・スリム。
オランダ新国王即位式でのアーミン・ヴァン・ブーレン。

世界の例は枚挙に暇がない。

お隣韓国ではPSYのカンナム・スタイル。これもクラブミュージックから産まれたヒット。
カンナム地区はソウルのクラブ街で今では観光名所だ。

●では日本では?

まず、クラブミュージックに使用される機材は日本製のものばかり。
テクニクスSL1200。
ローランドTR-808やTRー909。
ローランドの創業者、梯氏は本年度のグラミー賞テクニカル部門を受賞している。

国内アーティストでいえば、
YMOはクラブミュージックの元祖のひとつ。
EXILEもきゃりーぱみゅぱみゅもパフューム、宇多田ひかる、ミーシャもベースはクラブミュージック。
DJの世界大会であるDMCの現世界王者は日本人のDJ IZOH、2002年にはDJ KENTAROも世界王者になっている。

こうしたアーティストが生まれ、そしてライブ活動をする場としてもクラブは存在する。
ただ近年の風営法取締り強化の煽りで大きな深夜イベントは減少傾向にある。

ダンスが小中学校で必修化され、そこで教えられるヒップホップダンスもクラブから産まれたもの。ただ習得しても現状、オトナになってからそれを披露する場がかなり制限されているのが現状。

海外から遊びに来た観光客も日本のクラブで遊びたいと言っても深夜に遊びに行く場所がない。

●クラブの自浄努力

クラブに対して「不良のたまり場」「犯罪の温床」というイメージがあることを自覚し、対応していく。

そもそもコンビニもレストランも24時間営業の時代に、普通の社会人で自己責任能力のある大人が音楽やダンスを楽しむ場であるクラブがなぜ営業時間の規制を受けなければいけないのか?

そもそも青少年を入場させていないのになぜ青少年保護の観点から語られるのか?

素朴な疑問をもとに対応策を考えます。
事業者に向けて以下の徹底を呼びかけて行きます。

自浄努力としては
入場の際の写真付IDチェックの徹底。18歳未満の入場禁止。
二十歳未満の客への酒・たばこ販売禁止。
近隣への迷惑行為の禁止。店外での二次騒音に対して、客への注意の徹底と見回り。
法律で禁じられた行為を防ぐため警備員設置、問題が発生した場合はすぐ所轄の警察に連絡

(以下、会の主張全文)
もちろん都内の多くのクラブが既にそうした自浄努力を長い間続けている事も事実です。ただし現状法的には灰色での営業と言う事で、そうした努力を広く世間にアピールする事ができないのも現状です。

そうした自浄努力を各事業者が徹底することにより、クラブがいかに青少年への健全な育成義務を果たしながら、大人が音楽とダンスを楽しみ社交を求める場を提供する、健全なビジネスをしているかというアピールしていく為にも現状の改善が必要とされています。

クラブとクラブカルチャーを守る会の目的は、そうした業界全体が健全経営を徹底させ、社会的なクラブのイメージを改善し法的にも社会的にも認知されるようになる事です。

その為、営業する側、そして遊びにくる側双方のモラルをも向上させ、新しい文化と呼ばれるに相応しい努力を続け、さらにはそうした努力を広く理解して頂けるようPRする事を要求していきます。


さらにこうした動きは福岡の<クラブカルチャー向上委員会>、関西を中心とした「KEEP THE SMILE & MUSIC」など全国的な広がりをみせつつあります。

クラブの発展は、ひいては日本の文化/経済の発展に繋がると信じています。


戦後復興を支えてきた日本の製造業の、洗練された技術が今日の世界のダンスミュージックの礎を築いたように、私たちは国内のこのグローバルな文化を決して絶やす事無く、より広く世界へ、より大きく、発信させていく状況を子供達に残す使命を感じています。


私たちがクラブを巡る現状の改善を求めるのはそうした事からに他なりません。


クラブとクラブカルチャーを守る会


Watusiさん、見事にプレゼンしてくれました!

この後、FDJの浅川さんがクラブの経済効果を中心としたデータに基づくプレゼンをされて、文化・経済両面からのアピールが出来ました。
例えばK-POP。日本の市場も席巻していますが、これは韓国政府が輸出文化としてしっかりバックアップした結果です。そして、バックボーンはやはりクラブミュージックです。
その他、深夜営業により計上できる利益など説得力のある数字がどんどん出ました。
Let's Danceの金光さんが自身の現状を語ったあと、アメ村の会の会長さんによるクラブ取締りにより、実際に商店街に経済的打撃が大きいという話が聞けました。
これはかなりリアルな話で参考になりました。

議連立ち上げ、ヒアリング含めて1時間しかなかった為、かなり駆け足の内容になりましたが
小坂会長の終わりの挨拶でも「24時間営業のライフスタイルに法律が追いついていない印象がある」と言う趣旨の発言があり、一定のアピールは出来たかと思います。

これから議員の皆さんに更なる働きかけをして風営法の見直しを実現させたいと思います。

この後、CCCCで国会社会見学をして参議院議員会館食堂で打ち上げ。味は超・普通でしたが。

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太ったな、僕・・・

夜はNEWS ZEROとNEWS 23で風営法特集が組まれました。
メディアに訴える必要性は・・・世間へのアピールもありますが。
議連に対しても、しっかり動けばメディアが報道してくれますよ!というアピールです。
風営法問題に取り組むことで有権者も政治に注目する。
クラブ、ひいてはダンスの支持者の熱い気持ちを感じてもらうためです。
以下、観賞後の僕の感想。FACE BOOKに投稿したものです。



 NEWS ZEROとNEWS23、風営法特集終了しました。両方の番組で扱う問題は同じなんですが、着地点は真逆になりました。ZEROでは僕のインタビューがかなり使われてましたが、特集の結びは時事通信と同じ警察発表でした。もちろん、そこに僕のコメントが反論としては提示されてはいたので、法自体の不自然さは浮き彫りになったと思いますが、独自取材ではない警察発表で終えていたのは残念です。
 暴力などの問題を風営法で取り締まるというロジックに違和感は感じていただけたかと。
 NEWS23に関しては社交ダンスなども取り上げることにより、問題の入門編として機能する構成。やはり法の不自然さはかなり浮き彫りになっていました。警察発表も取り入れてバランスは取ってましたが、少なくともダンスの現状に合った法律ではないという主張は貫かれてました。ZEEBRA会長のコメントで終わる構成でスッキリしてましたね。
 両特集で使われたのはelevenの営業中の映像で、これは画期的でした。TIMMY REGISFORDがかけるサウンドで踊る人たちの映像。クラブとクラブカルチャーを守る会を発足させてからの嬉しい出来事でしたね。今週で閉店するelevenさんの英断、そして背景にあるクラブは楽しい場所です!という絶対の自信。取材に立ち会いながら、このお宝映像をしっかり活用して欲しいと思ってました。ちょい物足りないですが・・・
 ダンス議連も立ち上がり、色々なことがスタートを切りました。みんなで考えて、そしてみんなでクラブで踊りましょう!(あと失言してなくて良かった)

さて、朝5時のニュースにも僕のコメントが出てたらしいですがさすがに寝てました・・・

怒涛の1週間を振り返りましたが。ようやくスタートしたところです!

僕はなんだかんだクラブの良い思い出ばかりです。
今後の子供たちにも同じように楽しい思いをして欲しいものです!

長文でした!