映画『サマー・オブ・ソウル』(前振り) | Roll of The Dice ー スパイスのブログ ー

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稀に・・・となるかも、ですが、音楽や演劇、書籍について書きたく思ひます。

 

近所のミニシアターでは今日『サマー・オブ・ソウル』が封切り。市中では8月末に日本公開だったが、近所では今宵が封切り。

早速観てきました。

 

1969年の夏、NYはハーレムの公園で開催されたブラックミュージックのフェスティバル。副題が

 

「あるいは、革命がテレビ放送されなかった時」

 

このサブタイトルが「まさに!」でありました。これぞ革命。

日本人が毎日観るべき映画です。理由は後日、本編で述べまする。

 

作りが完全なるドキュメンタリー。演奏シーンを繋ぎ合わせただけじゃありません。

 

本作につき、町山智浩と丸屋久兵衛の両氏が語っています。

 

 

たかだか17分ですから見てください。

いちおう概要は、

 

・50年間放ったらかしであった。

・しかし69年夏に都合6回催され、30万人を動員。同年しかも同じNYのウッドストック(40万人来場)と、そんなに差はない。

・黒人音楽の歴史が全てわかる。

・当時はパン・アフリカニズム。アフリカ回帰運動。

※レゲエミュージシャンこそ出てこないが、レゲエのラスタファリズムもアフリカ回帰運動。

 

 

・いっぽうイーストハーレムにはアフリカン・アメリカンのみならず、キューバやプエルトリコのラテンアメリカンもたくさん。いわゆるスパニッシュ・ハーレム。

 つまり全黒人の集いなのであり、そこでモンゴ・サンタマリアやレイ・バレットが重要になる。

※モンゴ・サンタマリア ー Watermelon Man 

 

 

・警備したのはブラックパンサー。←ブラックパンサー党とは「白人どもが俺たち黒人を迫害するなら、暴力も辞さない」とする集団です。

 ブラックパンサーに警備させたのは、あたかもストーンズがオルタモントでヘルズ・エンジェルスに警備させたのを彷彿させる。←町山氏の指摘を待つまでもなく、俺も直ちにそう気付きました。

※アンダー・マイ・サム@オルタモントスピードウェイ

 

 

・68年にニクソン大統領が就任。スティーヴィー・ワンダー(当時19歳)はガチのニクソン嫌いで、反ニクソンの曲を5-6曲書いている。ニクソンがウォーターゲート事件で辞任してからもずっと。

・モンゴサンタマリアの重要性は、ラテン音楽に発したクロスオーバーであること。ハービー・ハンコックはこのフェスに出ていないが、ハービーはハービーでもハービー・マンのフルート遣いもクロスオーバーで、ロックやソウル側からすると、〝あっち側〝だったものが融合した。

※ロックでフルート使いはジェスロ・タル。ストーンズやレノンの『ロックンロール・サーカス』より。

 

 

・ヒュー・マセケラFrom南アフリカ なんて、のちのフュージョンを先取り。

 

 

フュージョンというより、ちょっとローランド・カークぽくね?

 

ーー お二人の話、その前半を以上概要まで(ワタクシの補足動画を含む)ーー

 

SDGs じゃないけれど、昨今「多様性、多様性」とか言う。いまさら何言ってんだって話。

『サマー・オブ・ソウル』の50年前からそんなものはありました。しかし誰もが無視しました。なぜか。

 

黒人だからである。

 

そして未だに、多様性云々はあんまり進歩していない。こと日本においては。

 

◆予告編

 

 

続きます。