冬色の海は重く
沈んでいるだろうか
荒々しい波が
岸辺に打ち寄せては
波しぶきが風に舞っている
ぼんやりと夢想しながら
ぼくはグラスに入った
琥珀色の液体を眺めている
それは薄暗い電灯に
鈍く光った
さりげなく指先で
グラスの水滴を拭った
カランと音をたてて
透き通った氷が
琥珀色の中に落ちた
ミントの葉を浮かべてみる
ぐるっと氷のまわりに
弧を描いたそれは
春の静かな薄紅色の
きれいな海の上を
滑って行く
帆掛け舟みたいだ
また
カランと音をたてた
氷が琥珀色の海の中に
沈んで行く
薄暗い電灯の灯りに
仄かに光る
琥珀色の海
ぼくは遠い目をして
静かにそれを眺めた