最後の幕が降りた
観衆が立ち去って
ひとり舞台に立っていた
静まり返ったホール
彼は燃え尽きるほど
踊りたいと思った
何かを払拭するために
自分の魂が震える
誰のためでもない
とにかく全身にすべての
思いをこめて
軽やかなステップ、ターン
そしてジャンプ
額からは汗の雫が
ひとつだけ点った
スポットライトに
反射して虹色に光った
限界を越えて
今までとは違う世界
こころが
満たされていく
いつの間にか
ホールの天窓から
朝陽が床に彼の影を
映し出している
疲れきった体からは
明日にいる自分が
はっきりと
まっすぐ前を向いた
澄んだ眼差しに
歩きはじめる姿が
焼きついていた