私は奥の方でしている弓道を近くで見たいと思った。
しかし、柵があるので回り込まねばならない。
仕方なく、柵を回り込もうと周りを見ると、私以外の観客がいなくなっていた。
不思議に思ったが、気にせず弓道をしている側に回り込んだ。
やっぱり弓道は良い。
的に当たる心地よい音が響いていた。
しかし、的より遥か上に向かって射る男子生徒が一人いた。
ふと気付くと、その男子生徒と私の間には球場にあるような観客席ができており、たくさんの観客が座っていた。
でたらめな方向に飛んだ矢は硬い壁で跳ね返り、観客席に落ちた。
危ないと思ったが、一発目はかなり高いところの壁に跳ね返ったもので、観客席に落ちていくような感じであった。
しかし、二本目は明らかに観客席に向かって放たれた。
私「危ない!」
その矢は、観客席にいた学生の肩を貫通したように見えた。
よく見ると、それは小中学校で仲のよかった友達だった。
血は出ておらず、どうやら服に穴が空いただけで済んだようだ。
ホッとしたのも束の間、遠くから矢を放った男子学生が私に
「矢を取ってくれませんか?」
と言ってきた。
私は憤慨しながらも矢を渡すことにした。
でも、投げたら誰かに刺さってしまう気がしたのと、でもこんな奴にご丁寧に手渡しもしたくないという思いが重なった。
そこで、観客席の間の階段から矢を滑り台のように滑らせてそいつに渡した。
また、戻って矢の当たった友人を見ると、皮膚に赤紫の斑ができており様子がおかしい…
私は直感的に『逃げなきゃ!』と思った。
③に続く→