今回は家の断熱性能について語っていきたいと思います。
我が家は戸建てなので、四方を部屋に囲まれたマンションの部屋に比べると外気の影響を受けやすくなるわけですが、真冬でも6畳用のエアコン1台でほぼ全フロアの空調を効かせることも不可能ではなく、一般的な戸建てと比較すれば相当光熱費は抑えられると思っています。今回はそんな我が家の断熱性能・仕様について語りたいと思います。
※数字がたくさん出てくるので適当に読み飛ばしてください
◯全体仕様
我が家の住宅メーカーであるヤマト住建は、業界の中でもトップクラスの断熱性能を持った商品を出しているのですが、我が家はそこまでコストを掛けられなかったこともあり、「エネージュN」というミドルグレードの商品となっています。
自宅の場合、いわゆる計算上の外皮熱貫流率(Ua値)は0.48W/K/㎡で断熱等性能等級1〜7の中では5に相当しますが、自宅のあるエリアは等級6以上の基準が0.46W/K/㎡以下なので、ほぼ等級6に近い5ということになります。
ちなみに断熱等級7(Ua値0.26以下)相当までグレードアップすることによる光熱費削減効果を試算すると、年間2.5万円程度でした。
なお、外気温は気象庁のデータベースから引っ張ってきた月毎の平均気温で計算しています。エアコン効率とは、エアコンの定格冷暖房能力を定格消費電力で割った値です。要するにまぁまぁ粗めの計算です。
グレードアップに百万円以内で済ませることはできないと思われるので、この計算が余程見当外れでも無い限り、光熱費だけの観点だと割に合わない可能性が高いということになります。
なお、断熱性能を上げることのコスパについては以下の動画が参考になります。
◯間取り


再度我が家の間取りを載せますが、ダイニングに吹き抜けが存在しており、2階の洋室や玄関ホールなどの一部を除いて間仕切りの無い空間になっています。また廊下がほとんど無いので、空調が家全体に行き渡りやすいのも特徴です。
2フロアに分かれているLDKの温度を均一にするのは難しいと思いましたが、サーキュレーターやシーリングファンを使うまでもなく夏は2階リビング(西面)にあるエアコン1台、冬は1階ダイニング(東面)にあるエアコン1台でLDK全体を割と均一温度にすることができるようです。狙ってこのエアコン配置にしたのもありますが、このやり方は大正解でした。
吹き抜けは空調が効きにくいと言われますが、確かに冷え切った状態から全体を温めるのは、体積が大きい分時間がかかると思います。ただ温まりきってからの暖房負荷は外皮面積(外気と面する床、壁、天井のトータル面積)に比例するはずなので、エアコンをつけっぱなしにする限りは「吹き抜けだから暖房費がかかる」という理論にはならないと思います。
なお、ロフトは空調が無いので夏場は暑くなりますが、滅多に行かない場所なのでそこは気にしないことにしています。
◯断熱材について
屋根の断熱材は硬質ウレタンフォーム20cm厚。熱貫流率にすると0.12W/K/㎡なので、屋根からはほぼ熱が逃げないと言って良いと思います。
壁の断熱材も硬質ウレタンフォームとなります。断熱材を内外に二重に敷いた商品もあるのですが、我が家の場合は「外張り断熱」という仕様で断熱材の厚みは4cm。断熱材だけの熱貫流率は0.6W/K/㎡なので、トップクラスの商品とはこのあたりで差がついてくるということになります。
全体的に高断熱と言えるような仕様ではないと思いますが、木造住宅である分建材自体の熱伝導率が低いので、鉄骨造に比べれば断熱の面では有利だ思います。
◯基礎断熱
我が家はベタ基礎の上に厚み4cmの断熱材(図のメッシュ部分)を敷いてあり、ダイニングにある通気口から室内の空気が床下に回るようになります。
この場合、実質的に床下の空間が断熱材として機能していて、床下に外気が入ってくる賃貸住宅と比較すると足元が冷える感じが断然少ないです。
◯気密性能
温熱環境を維持するにはすきま風が入ってこないことも重要になってきますが、我が家の中間測定時の隙間相当面積(C値)は0.4c㎡/㎡で、かなり良好な数値と言えると思います。
ヤマト住建はC値0.5以下を公称する商品が多いですが、家全体でも名刺1枚分程度の隙間しかないということなので施工精度は結構良いと思います。
気密性能は特に意識したところで、勝手口は迷わず不採用。窓についてはFIX窓や滑り出し窓を多用し、掃き出し窓はバルコニーの窓だけにしました。また、玄関扉については妻から引き戸の案も出ましたが開き戸にさせてもらっています。
細かいところでは、照明、コンセント、スイッチ類やエアコンスリーブなども気密性能を低下させる原因になると思うので、いたずらに数を増やさない考え方もあります。
◯第1種換気
我が家の換気システムは給排気ともに機械で行う第1種換気ですが、外気と室内の空気を熱交換することで室内の温湿度に近い空気を取り入れられるのが特徴です。
熱交換の効率は夏冬でも変わりますが(冬の方が良い)、以下のグラフを参照すると冬場は温度交換効率が80%ほどなので、室温20℃・外気0℃であれば大体16℃くらいの空気が各部屋に供給されるようになります。

16℃の空調だと暖房代わりとしては期待できないですが、外気をそのまま取り込むよりは遥かに冷暖房負荷を抑えられるはずです。
◯窓サッシ
先の記事でも述べましたが、基本は樹脂サッシ+LowEペアガラス(熱貫流率1.68W/K/㎡)採用で、一般的な単板ガラス+アルミサッシの熱貫流率が6.5W/K/㎡程度であることを考慮するとかなり断熱性能は良いです。
大開口のバルコニーの掃き出し窓はトリプルガラスを採用しています。ペアガラス→トリプルガラスへの変更による光熱費削減効果を試算(下図)してみると、年間536円でした。

窓変更によるオプション金額が22000円だったので35年でも回収は出来ないようですが、多少なりとも快適性は高まると思います。
◯各部屋の室温について
各部屋に温湿度計を置いて、真冬の朝6時頃の室温を測定してみました。ダイニングの暖房と加湿器を使用していて、家族が和室で寝ている条件下です。
・外気-1.3℃73%
・1階ダイニング19.2℃36%
・和室18.7℃38%(襖開)
・2階リビング19.1℃37%
・脱衣所16.3℃44%(WIC、ダイニング側ドア閉)
・脱衣所下(基礎部分)16.2℃46%
・2階洋室北側14.2℃40%(ドア閉)
・2階洋室南側15.2℃37%(ドア閉)
ドアで仕切られる空間はどうしても寒くなりますが、居室は全体的に20℃近くを保っています(なお、節電のため暖房の設定温度は20.5℃と控えめです)。
試しに床下にも温度計を置いてみましたが、室内とほぼ同じ環境になっていることがわかります。やや湿度が高めなのは、新築なのでコンクリートに含まれる水が影響しているのでしょうかね。
◯実際の断熱性能の実力値
我が家の断熱性能は実際どの程度のものか、断熱材の種類、厚みによる計算とは異なるアプローチで測定してみたいと思います。
ここでは熱貫流率の定義である「熱貫流率×室内外気温差×外皮面積=室内外を出入りする熱量」の関係性を利用します。
室温が一定に保たれていると仮定すると、出入りする熱量と釣り合うのは室内で発している熱量の総量であって、
①エアコンによる発熱量(消費電力×エアコン効率で計算)
②人間による発熱量(基礎代謝量から計算)
③家電による発熱量(消費電力から計算)
④換気による損失熱量(風量×密度×比熱×給排気温度差で計算)
⑤日射による取得熱量
の合算になると思われます。日が出ていない時間帯であれば⑤は無視できます。
なお、室温については上の部屋毎の測定結果を部屋の床面積比で重み付けをして平均しました。
12/15早朝のデータを用いた計算結果は以下の通りとなります。

Ua値は0.41W/K/㎡と、公称値よりは良い値となり断熱性能6相当の性能を発揮している可能性が示唆されました。
それぞれの値の精度の問題もあると思いますが、建材(木材)による蓄熱の影響は無視出来ないと思いますので、この計算方法の信憑性には疑問があります。
ただ、6畳用エアコン1台でそこそこの温熱環境を保つことができるのは事実であり、基礎断熱により床から熱が逃げにくくなっている点は大きいと思います。
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今回の検証に無くてはならない温湿度計です。表示が大きくて見やすい商品となっています。











