社会人の福音書 - Gospel of Business Players -21ページ目

ビジネスにおける意思決定や方向性、自分自身の待遇や業務負荷、担当業務の希望、職場環境への不満や人間関係の問題など、上司と議論したり、上司を説得しなければならない場面はさまざまだ。


建設的に議論できる前向きな内容を話す時や、あなたと上司の意見が大筋同じである時、そして、

上司の懐が大きく、あなたの話をちゃんと聴いてくれる人であれば良いが、そうでない場合は、フォース

(『スターウォーズ』シリーズに登場する登場する架空のエネルギー帯)でも操ることができない限り、

いろいろと難しいのが常であろう。


基本的に、「懐が大きく、どっしり構えて、部下の意見を親身になって聴いてくれ、それに対して何らかの

適切な行動を起こしてくれる上司」などいないと考えた方が合理的だ。今現在、自分の上司がそのよう

だと感じている方は、非常に幸運な方か、上司の正体に気付いていない鈍い方のどちらかだろう。


ということは、そうでない上司に対して、自分の意見を通したり、考え方を変えさせたり、何らかの行動を起こさせる“スキル”が非常に重要であり、このスキルはどの企業に行っても必ず使うことのできる貴重

なものであるはずだ。そして、この重要なスキルは、一般の研修等では殆ど教えられることがないのだ。


それでは、どのように対戦したら上手くいくのか?もちろん百発百中の完璧な方法など存在しないし、人間同士

のコミュニケーションなので、色々なテクニックを複合させてやっつけなければ、失礼・・・解決していかなければ

ならないが、原則外してはならない3つの法則がある。



まず1つ目は、通常業務をそつなくこなし、適切なタイミングでの報告を決して怠らないことである。



当たり前のことであるが、通常業務をちゃんとやっていない部下から何か言われても、上司が真剣に

聴いてくれるわけがない。それなりに耳を傾けてもらうには、あなたの通常業務に対する安定感と

信頼感が不可欠である。また、上司も当然人間なので、業務に関する報告をまめにしてくる部下の方が

かわいく感じるに決まっている。余計な報告は逆に煙たがられるが、上司へ的確な報告をすることに

より、あなたの話を聴いておいた方が良いとインプットされるはずだ。



2つ目は、決して「分からせてやろう」とか、「納得させてやろう」などと意気込まないことである。



腹の底で密かにそう思っているのは当然なのだが、このようなテンションで対戦するのは良くない。

なぜなら、“上司”というその名の通り、向こうは多くのことに関して自分の方が上だと思っている。

残念ながら、どんなに使えない上司でも、あなたの上司である以上、あなたより立場は上である。

ゆえに、例えあなたの言っていることが100%正しくても、勢い良くその正しい内容を上司へ突き付けて

はいけない。つまり、言葉巧みに上司が自分自身で気付いたように誘導してあげなければいけない。


これは簡単なことではないが、あなたに何らかの部分で余程のアドバンテージがない限り、一気に上司を分からせるのは非常に難しい。実際に全く思っていなくても、さも上司の言うことを理解しているように

振る舞い、実際に上司が悪くても決してそこには触れず、違う切り口から説いていかなければならない。

それには、上司と対戦する前にあらゆる会話シュミレーションを行い、材料を揃えておくことが不可欠だ。



3つ目は、話しの論点や自分の勝ち取りたい事柄を徹底的に絞り込むことである。



たいていの上司は、あなたの言うことの半分も聴いていないと思った方がいい。正確に言うと、聞いて

はいるが、深く理解しようという意識は薄い。だから、いろいろなことを話せば話すほど相手は面倒臭く

感じるし、上司が話しを被せてくることも多いので、結果的に論点がぶれて消化不良に終ることになる。

ゆえに、とにかく言いたいことはぜいぜい2つくらいに絞り、話しの内容がその2つないし1つの事に全て

繋がるように組み立てなければならない。そのくらいでないと、聴く気の無い相手には響かない。


とはいえ、正直これらを駆使しても上司を納得させ、動かすのは簡単なことではないが、少なくとも、

日常的にこのくらいの下準備をして上司との対戦に臨まないと、結局時間の無駄になるのがおちだ。



プロ野球のピッチャーは、あらゆる打者を打ち取るために球種を増やし、それらのキレを磨き、そして、

自分の持ち球を「どの場面で、そのカウントで、どのように組み立てるか」を日々考えているはずだ。


我々も、上司の傾向を探り、上司を巧く討ち取るシュミレーションを怠ってはいけない。

このような努力を怠らなければ、いつかあなたの上司を手“球”に取れる日がやってくるはずだ。