購入元:ヤフオク
購入額:★★★★☆
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接ぎのある、黄胡麻の景色が面白い古備前の茶入。
古備前とは、平安末期~室町後期(安土桃山を含まないかどうかで見解が分かれる)に焼かれた備前焼のことです。
約束としては
・砂混じりの陶土である
・明快な焼き上がり
ということは、これは古備前ではないということになりそうですが、実は古備前の中でも珍重されるのが「黒備前」で、これはその風格を備えています。
全体的に黒っぽい色が出て、その上に胡麻が大小の模様を付けていますが、割れてしまったのが漆接ぎされています。
ですが、私はそこを気に入って購入した次第です。
この漆接ぎははっきり言って下手です。
でもそれこそが、侘びた籬(まがき=竹や柴などをあらく編んだ垣根)の風情になっているではありませんか。
そこから「採菊東籬下」という陶淵明の『飲酒』二十首之五の漢詩を引いたわけです。
採菊東籬下 悠然見南山 で対句となっていますが、全文は以下の通り。
結廬在人境 而無車馬喧
問君何能爾 心遠地自偏
採菊東籬下 悠然見南山
山氣日夕佳 飛鳥相與還
此中有眞意 欲辨已忘言
問君何能爾 心遠地自偏
採菊東籬下 悠然見南山
山氣日夕佳 飛鳥相與還
此中有眞意 欲辨已忘言
盧を結んで人境に在り 而(しかるに)車馬の喧しき無し
君に問う 何ぞ能く爾(しか)るやと 心 遠ければ 地 自(おのず)から偏たり
菊を東籬の下に採り 悠然として 南山を見る
山気 日夕 佳なり 飛ぶ鳥 相與に 還る
此の中に 真意有り 弁ぜんと欲して 已に言を忘る
菊を東籬の下に採り 悠然として 南山を見る
山気 日夕 佳なり 飛ぶ鳥 相與に 還る
此の中に 真意有り 弁ぜんと欲して 已に言を忘る
いい詩ですねぇ。
これは菊のある秋の景色の詩で、この「採菊東籬下」に因んで銘を「東籬(とうり)」とし、黄胡麻の釉景を「菊」に、漆接ぎの線を「籬」に見立てたものです。
重陽の節供に相応しい、茶入になったかと思います。
【追記】
届いた現物を見てビックリ、継ぎだと思っていたものは「漆書き」で、古備前だしそれも黒備前で確定でした。
