茶入が少ないので、肩衝では持っていない(大海と文琳では持っています)丹波を購入。
 
 在中庵や円乗坊のような横縞が特徴の茶入です。
 
 最初は「相輪」とか「九輪」にしようかなぁ?などと思ったり、仕覆が雨龍間道なので秋の雨に因んだ銘などがいいかなぁ?などと思って居たのですが……
 
この釉景を見ていてふと「これって『猿猴捉月図』の猿に似ているなぁ〜」と思いまして、銘を「金地院」とすることに。
 
 これは長谷川等伯の『猿猴捉月図』が南禅寺金地院の襖に描かれていることからの銘になります。
 
 猿猴捉月図が由来ですから、当然、月に因んだ月(中秋、後の月、三の月)にはいつでも使えます。
 
 どうです?猿猴捉月図に見えません?
 
 ですが、残念なことに「もっとはっきりと見える釉景」があったんです。それも猿に見えるのがオチとなりますがw
 
 結果、銘は「宵待」と思っていたのですが、猿つながりで窪田意専の俳句が出てきました「いざよひは闇の間もなしそばの花《猿雖》」。だとすると「十六夜」がいいかもしれませんね。

 色々と迷った結果「申待金地院」とすることに。

 申待とは「庚申待ち」のことです。庚申待ちとは、庚申の日に、人の体内にいる三尸の虫が日頃の行いを天に登って報告をすると信じられており、それを妨げるために夜通し酒盛りなどをして寝ずの番をしたものをいいます。

 三尸の虫が天に登って日頃の行いを報告すると罪状によって寿命が縮められたり、地獄・餓鬼・畜生道に堕とされると信じられていたので、このような風習が生まれたそうです。

 庚申待ちは枕草子にも登場しており、平安時代には日本に伝わっていたということが分かります。

 三年十八回行った記念に建てられたのが庚申塔で、ここには三猿がほられたそうですよ。

 となると、三猿蓋置との相性は抜群ですね!