今日は小暑。二十四節気の第十一。

 旧暦では旧暦六月一日、甲辰年辛未月辛未日です。



 夏も盛(さかり)から季(すえ)に入り、「暑中」と呼ばれる季節になります。小暑の次の節気が「大暑」で、小暑と大暑を合わせて「暑中」といいます。

 これは、小寒と大寒を合わせて「寒中」というのに呼応しており、盆と暮れの行事として「暑中見舞い」「寒中見舞い」が行われます。

 小暑になりますと、だいたい梅雨が明け、一気に暑さが激しくなっていきます。夏至から着物は夏物に変えはじめる訳ですが、小暑までには完全に褝は着なくなります。といっても「暑くて着る気にならない」でしょうけれども(笑)

 ちなみに暑中見舞いは、大暑に出すものですので、七月下旬ごろにお出しになるのがよろしいかと思います。この暑中見舞いと寒中見舞いをしたあとに行うのが「御中元」と「お歳暮」なんですが、現代ですと、逆になってしまっているのが面白いなぁと感じたりいたします。

 暑中見舞いでご機嫌伺いに参りますとお知らせして、伺うものなんじゃないのかなぁ?なんて思ったりするのですけれども、これも、新暦と旧暦の習慣の違いが、季節感を狂わせていると感じる一つであったりいたします。

 茶道では裏千家さんの「葉蓋」や瀬田掃部の考案した点前(平茶盌)を復活させた晒し茶巾(馬盥茶盌)の点前、表千家さんの絞り茶巾(筒茶盌)などが行われる季節ですね。



 当庵では、宗静先生と私で考案した「霙(みぞれ)点前」の季節です。



 当流では、ほかに、平茶盌による洗い茶巾(裏千家さんのさらし茶巾と同じですが当流では平茶盌です)と氷点前(釣瓶水指と大板の一つ置きで風炉を用いない釣瓶大板、大盥に氷を浮かべて冷水で行う納涼点前など複数あります)があります。

 この平茶盌、現在では廃れてしまった「穂が五分長い」茶筅(当流では長穂といえばこれ)にて「穂出し」をするのが当流の点前としての決まりです。

 このころの御軸としては「修竹不受暑」とか「殿閣生微涼」「滅却心頭火自涼」なんていかがでしょう?


 暑さを忘れるためにも「涼」の演出が不可欠ですね♪