日曜日は初風炉の「お茶事へ行こう」でしたが、なんと時間にご飯が炊けていないという痛恨のミス。いつもは賄方【まかないかた】の宗静先生がやるのですが、体調が芳しくないため、お弟子さんにお願いしたのですが、私も宗静先生も確認が漏れました。

 

 炊けるまで1時間もあります、宗静先生が「先に濃茶やれないの?」といったので、「薄茶ならやれるかな」ということで、急遽、「正午ではございますが、朝茶スタイルで……」と先に薄茶をすることに。

 

 皆様の心温かい対応で、和やかに進めさせて頂けました。ありがとうございました。

 

 初釜が抜けたので、久しぶりの茶事で、大分抜けてたなぁ……と反省しきりです。

 

 次の「お茶事へ行こう」は炉開きですので、しっかりしなければ!

 

 旧暦四月の道具組みはまだまだ完全な物になっていないので物語が揺らいでおりますので、もう少し灌仏会に因んだ道具が盛り込めるといいのですが……ねぇ。いずれは花入に古銅経筒、建水に唐銅鉄鉢、青瓷蓮華弁茶盌などを用意したいものです。

 

 旧暦四月というのは、灌仏会の時期ですので、仏具にちなんだ道具などを盛り込むことが多いです。

 銘「光背」というのも仏像の部位の名前です。累坐を螺髪に見立てるとということもありますね。

 

 私は棒を錫杖に見立てて、棒先建水を使っていますが、鉄鉢建水と累坐建水も手に入れておくといいということになりますでしょうか。

 

 聖霊会の三重塔にちなんで三重棚というのもありですし、三つ人形(三閑人)を三尊(中央の仏と左右の脇侍【きょうじ】 の菩薩 (ぼさつ) の三体)に見立てるとか、そうなると鉄盥に三つ人形を仕込んで甘茶の儀式に見立てるなんてのも面白いですね。となると、雪輪棚か桑小卓かを使いたいところです。

 

 灌仏会では龍の出し物が出るものもあり(龍華会)、それにちなんで雲龍釜や鱗の道具を用いるということもされます。これは釈尊の誕生を八大龍王または九つの龍(九頭竜と解して八岐大蛇と考える人も要るらしい)が祝ったこととに因みます。

 

 みなさんならどういったお道具を使われますでしょうか?

 

 ちなみに初夏だというのに真夏の陽気でしたので、私は薄物を着させていただきました☆彡

 

令和五年四月十二日(5月19日) 初夏

 

献立

 飯 こしひかり

 汁 豆腐(辛子添え) 

向付 生海胆の雲丹和え 鯛の昆布締め

煮物 治部煮

焼物 鯖の梅味噌漬け アスパラガス添え

強肴 ローストビーフ

箸洗 昆布茶

八寸 鰻の実山椒 結び蕨

香物 沢庵 桜漬け 胡瓜 後引大根 茄子

湯桶 湯掻きおこげ

 

懐石家具

飯椀 輪島塗 梨地本膳家具 鬼佛庵贈

汁椀 輪島塗 梨地本膳家具 鬼佛庵贈

向付 有田 笹形

飯器 京 朱塗糸目 平安陽光堂造
       通盆一双・杓子添

煮物椀 輪島塗 梨地本膳家具 鬼佛庵贈

焼物 染付 丸皿

強肴 京 楓

箸洗 輪島 溜千筋 木浦静峰作

八寸 杉木地

香物 有田 糸巻鉢

燗鍋 桐紋 時代物

徳利 織部

湯桶 京 春慶筋目 白井表堂作 春慶湯の子掬い別添

酒盃 朱柿合刷毛目 蕨浪蒔絵 玄々斎好

盃台 隅入四方青筋爪紅 白井表堂作 鈴木宗保好

 

汲出

 

床 軸   『松無古今色』 六々斎書
  花入  掛花入 布袋在判

  花   季のもの

 

濃茶

釜 雲龍釜小 笠井宗裕贈

  風炉 眉風炉 月松斎作

  敷板 荒目板 大 津田哲斎作

棚 溜塗万筋 短冊箪笥

  水指 青瓷 細 古川崋山作
  茶器 志野 肩衝茶入 山口錠鉄作 銘「花水木」

   仕覆 緑地青木間道

  飾棗 溜塗 面中次

  茶杓 南禅寺松 平野宗紀(黙涯)作 銘「香風」

  茶盌 主 瀬戸織部 山口茂作 銘「青山」

     替 彩釉 森克徳

   蓋置  竹二節 銘「光背」

   建水  青瓷 牡丹文 井上規作

 菓子器  鼠志野 隅入四方鉢 笠井宗裕贈

 菓子司  白生麩饅頭 武州板橋 梅香亭

 御 茶  神楽殿 山城宇治 山政小山園詰

 

薄茶

 棚 三角棚 流好

  水指 黄瀬戸 加藤唐三郎作
  茶器 砂摺棗 伝初代宗哲作 六代宗哲極

  茶杓 越前塗 岩清水蒔絵 漆琳堂 内田忠雲作

  茶盌 主 萩 井戸茶盌 蒲裕作
     次 瀬戸唐津 鬼佛庵鈴木楽生 銘「斑目」

     替 古代唐茶 工藤寿楽作
     替 高台寺文 工藤寿楽作

     替 青金襴手 工藤寿楽作

   蓋置 杜若 高野昭阿弥作
   建水 丹波 棒先 杉原祥公作
  菓子器 輪島 黒塗爪紅手附唐草蒔絵丸盆

  菓子司 和三盆 洛中烏丸 亀屋則克

      彩果の宝石

      金平糖

  御茶 四方の薫 城州宇治 山政小山園詰

                以上