正坐(正座)をきちんと教えている茶道教室は案外ないのではないかと思います。


 まぁ、歩き方を教えている教室は茶道だけでなく着付でも少ないですけれども(笑)


 茶道教室で教えないのは実は当たり前で、これは「躾の内」だからです。本来は襖の開け方・閉め方も教えるものではないのですけれど、今どきは家に襖がありませんものね(苦笑)


 さて、正坐(正座)というのは、足が痺れるものと思われて居られますが、実はそれ間違っているからです。


 正坐(正座)というのは、踵に体重を載せないで坐るのが正しいです。このとき足は指の一本も重ねません。


 重ねようとすると足が寝てしまいますので、それでは体を支えることが出来ません。


 足を真っ直ぐにして、踵にお尻が付くかつかないかの瀬戸際――紙を踵に置いてクシャッとならない状態が正しい腰の位置になります。


 おそらく今までと見える景色が違うはずです。


 体重が載らなければ、右に体を振るときも、正面に体を戻すときも、軽く回れます(回るときは膝を浮かせます)。


 但し、これをするには太腿と脹脛の筋肉が大事です(笑)


 この坐法を習得すると、稽古もお茶会も苦行ではなくなります。