本日は旧暦十二月丗日、癸卯年乙丑月癸卯日。大晦日です。


 毎月の末日のことを「晦日(みそか)」といいますが、これは「三十日」のことで、本来は「つごもり」といいます。

 つごもりは「つきこもり(月隠)」が転訛したもので、月が新月になる前日のことを意味します。

 大晦日は「おおつごもり」とも読み、一年の最後の「つごもり」となります。

 明治の改暦以降、旧暦に除夜の鐘を鳴らす寺はなくなってしまいましたが、本当は今時分に鳴るものなのですね。

 支那では春節として、今でも旧暦(中共では農暦)でお祝いをしています。面白いのは、日本が除夜なのに、支那では除夕と呼び方が少し違います。

 大晦日から元旦にかけて、茶道では年越しの茶事をいたします。
 大晦日に先茶で年越しそばをいただいてから、近所の寺や神社などに初詣に出かけてもらい、亭主はその間に支度をすませ、改めて正月支度で客を迎えます。

 いまどきは行うのも難しい時代ですが、逆に新暦の正月でない方が、正月のあわただしさも一段落してからとなりますので、よいかなぁ~などと思っております。

 掛軸としては「歳月不待人」や「無事是貴人」「看々臘月尽」などが相応しいかと思います。また、歳神(干支)の入ったお軸というのもありですね(新年に掛ける軸と対になるような形で)。