草の根BBSという物をご存知でしょうか。

 

 インターネットが世の中を覆う前に存在した、パソコン通信というものがありました。

 

 モデムという機器を使って、電話回線でサーバに接続し、主にテキストで書き込まれたログをダウンロードして読み込んで、自分も書き込みをしてアップロードする――という今では考えられないほどアナログ的なデジタル通信の時代があったんですね。

 

 大きなところではNifty-Serveという巨大掲示板群があり、のちインターネット時代の2chの魁となるものでした。

 

 こうしたメジャーなものに対して、ローカルなサーバ群のことを「草の根BBS」といい、その一つに「群雄NET」という歴史メインな草の根BBSがありました。

 

 基本的にメンバーはハンドルネームで呼び合う訳ですが、全体のオーナーである陳平さんを筆頭に各掲示板ごとの管理人がいて、私も戦国時代の掲示板の管理人をしていましたが、その鎌倉時代の管理人をしていた人が、この本に寄稿しています。

 

 野村朋弘氏です。

 

 交流が途絶えてから大分立っていますが、私にとっては鎌倉時代の諡を中心に研究を重ねていた文献史学の大切さを教えてもらった寮友であり、その彼がこうして茶道史の再構築に一石を投じる記事を書いていることに懐かしさとともに、私自身が抱いていたこれまでの茶道史に対する疑問・懸念が晴らされる思いでした。

 

 文献史学に一度でも触れると「伝承は大切であってもその裏付けが必要になる」という史学の大前提に気付かされます。

 

 茶道論としては、文献に左右されることはありませんが、茶道史としては文献の証左が大切であるということ。

 

 懐かしい名前とともに、改めてこのことをしっかりと自分の中で(私は学者ではないので他者に明示する必要は感じません)、確かめていこうと思うのでした。