本日は旧暦正月十五日。
古くは松の内が終わり、松下ろしの日でした。
大正月は人日まで竈を休ませるはずの松の内に、来客などがあって忙しくはたらいた主婦をねぎらう意味で女正月といって、地域によっては男性が女性の代わりに料理を行うなおの家事を行う日(期間ではなくこの日だけ)という地域もあるほど。
この日には小豆粥を食べる習慣があり、元日から小正月の期間中は小豆を食べない習慣の残る地域もあります。
年神や祖霊を迎える行事の多い大正月に対して、小正月は豊作祈願などの農事に関する行事や家庭的な行事が多く、元服の儀なども小正月に行われていたため、成人の日が新暦1月15日に行われていました。
元服の儀は男子のみで、女子は裳着の儀を行います。
元服は、前髪を切るか後ろ髪にまとめていましたが、江戸時代には月代(さかやき)を剃ることをいいました。烏帽子親(一族の長老か母親の父が一般的。後ろ盾になる)に加冠をしてもらい、烏帽子親から一字拝領して初名を名乗ります。たとえば、徳川家康は烏帽子親が今川義元なので最初「松平元信」と名乗っています。大名家は将軍から拝領することが多く、家臣は主君から拝領することが多かったようです。
裳着は安土桃山時代ごろまで行われた女性の成人式で、初めて裳を着せるものでした。これは娘を結婚させる意思がありますという親の意思表示であり、年齢は一定していません。裳の腰紐を結び、髪上げをして、お歯黒をして、眉を剃り、引き眉をします。これ以降は小袖は白、袴は緋色(江戸時代は結婚まで濃紫)に変わりました。江戸時代には女性も元服というようになり、裳着は明治時代の皇族や貴族の儀礼として復活するまで姿を消してしまいました。
※裳というのは十二単を構成するプリーツスカートのような後ろに引きずる日本の引き腰のついた袴です。
成人の日なので「成」にちなんで「結果自然成」の軸は如何でしょうか。これは「一花開五葉」の対句です。「家和成万事」なんてものもいいかもしれません。