画像はお借りしましたm(_ _)m
 

 曳舟とは現在では地名だけがのこっていますが、もともとは「舟曳き」という職業であり、それに従事する人たちのことでもありました。

 

 水路に浮かべた船を水路沿いの陸路から牽引することをいい、海外では帆走できないときに舟の移動手段として行われていました。日本ではどちらかというと、川上への移動手段として、水路を用いる際に使われていたようです。

 

 有名なのは、現在も地名で残る曳舟から柴又への「曳舟川」。

 

 茶の湯では「引く人も引かれる人も水の泡の浮世なりけり淀の川舟」という黄梅院の大綱和尚が詠んだ歌が文様で、舟を引っ張る人が三人描かれた絵です。

 

 こちらは「 引く人は、蓑笠(みのかさ)をつけており、時期は冬」ということになっています。

 

 広重の江戸百景では春の行楽シーズンとして描かれており、柴又帝釈天へのお参りの様子であるとされています。

 

 つまり、曳舟というと「冬」が基本であるそうです。

 

 この絵は、千家の宗匠家である堀内家の方が十二月の事始めころに淀川を下って京都の家に帰省するときの光景を描いたものだと伝わり、十二月十三日のことと教えていただきました。

 

 やはり、季節は冬。しかも旧暦なので晩冬のことになります。

 

 ただし、曳舟という言葉自体に季節があるわけではないので、いつ使っても良いともいわれます。ただ、絵にどう描かれているかが問題で、防寒具としての蓑笠であるのならば、季節は冬ですし、雨具としての蓑笠ならば、雨の時期にも良さそうですが、実は曳舟雨の時期には行いません。

 

 これは川の増水などによって危険であるからで、雨の時期にもいいというのは勘違いから言われるようになったもののようです。

 

 春や秋の行楽にも使われた曳舟。

 夏以外ならよろしいのかもしれません。