薄茶器としての「棗」は、村田珠光の時代の塗師・羽田五郎が作ったとされています。

 

 利休以前の棗形を「昔形」と呼び、その中でも竹の茶桶(さつう)形で、底が丸く、切合わせの下が朱塗りのものを「昔棗 珠光好」とか「珠光棗」と呼びます。

 

 棗の最初としてとりあげられる昔棗ですが、本歌は伝わっておらず、また、薄茶器として使われていたのではなく花入としても使われていたともいわれ(ちょっと考えられないのですが)、実在を疑う人もいます。

 

 これは、先日掲出した「三脚盆」なども同じで、本歌が存在しません。

 

 この頃に古い形とされた茶桶形のものの珠光が好んだと伝わる形を昔棗珠光好とか珠光棗と呼ぶようになったのではないかと考えたりもします。

 

 さて、月桑庵の棗コレクション、残す所

 

・尻張棗

・白粉解棗

・寸切

 

 の三つになりました。

 

 いやー、地道に買い集めただけあって、種類だけは豊富な月桑庵ですねw

 

■中棗(13)
■小平棗(3)
■平棗(1)
■大平棗(1)
■大棗(1)
■小棗(1)
■長棗(1)
■金輪寺棗(1)
■碁笥棗(1)
■老松割蓋茶器(1)
■御所籠棗(1)
■中次(1)
■面中次(1)
■瓢中次(1)
■吹雪(2)

■丸棗(1)
■茶桶棗(1)
■薬器(1)
■仏器(1)
■帽子棗(1)
■梅形茶器(1)

■阿古陀茶器(1)
■河太郎棗(1)
■鮟鱇棗(1)
■昔棗(1)
■甲赤棗(1)
■胴張棗(1)
■苫屋棗(1)