イギリスが輸入をはじめて、各国で輸入禁止令が出されても密輸で印度更紗は欧州を席捲しました。輸入が解禁になると、今度は巻き返しを図った各国の毛織物業者が、機械化に成功します。それが欧州更紗です。

 

 イギリス更紗より早く自国で生産が始まったのはフランスでした。

 

 フランスで制作されはじめたのが「ジュイ更紗」です。

 

 ジュイ更紗は、1761年ドイツ人のクリストフ=フィリップ・オーベルカンプがフランスのジュイに建てた工房で制作されたことから「ジュイ更紗」と呼ばれるようになったもので、風景や神話、聖書の物語などが取り入られた絵画的描写が特徴な更紗です。

 

 ジュイ更紗の模様は、ブルー・レジストと呼ばれる藍染や、ボルドー(赤)など単色に染めた風景画が特徴的。

 

 特に、ルイ16世時代を代表する装飾家・ジャン・バティスト・ユエの田園風景が有名です。

 

 ナポレオン帝政時代(1804~1815)になるとローラープリントも併用されるようになり生産力も増加。

 

 特徴的だった風景画も、直線的で重厚な華やかさを表現する飾り柄になるなど、時代と共に変化していきます。

 

 次第に、ジュイ以外の土地でも制作されたものも含め、フランス製更紗は「ジュイ更紗」と総称され、「トワル・ド・ジュイ」(トワル=布、=ジュイの布)と呼ばれる、フランス更紗を代表する伝統的な更紗となりました。

 

 これが発展してプロヴァンス・プリントになって行きます。