当流では、鮟鱇棗とは言わず、鮟鱇茶器といいます。

 

 当流でも、珠光棗(昔棗)・紹鴎棗・利休棗などの純粋な棗形や、碁笥棗・春秋棗などといった変わり種、尻張棗・鷲棗・日の丸棗(毬棗)・河太郎棗・平棗・白粉解棗といった変形棗は棗と呼びます。

 

 ですが、老松茶器や阿古陀茶器、梅形茶器というものは「茶器」と呼んでいます。

 

 もともとは「濃茶にも薄茶にも用いるもの」を「茶器」と呼んでいたのだと思われますが、いつの間にか、薄茶器でも「もともとの系譜が存在しないものを茶器」と呼ぶように変化したものと思われます。

 

 これに対して鮟鱇茶入というのは、大海の一種で、遠州公が所持していた大海茶入の銘が基になっています。

 

 鮟鱇茶器がどなたかの好みものかは存じ上げませんが、おそらくこの茶入を写したものでしょう。

 

 木地や溜塗が多いのですが、今回、青漆のものを見つけまして、珍しいので購入しました。

 



 これで、また一つ薄茶器コレクションが増えました。

 

 鮟鱇は季語が三冬なので、冬に用いるのをおすすめします。

 また、大きく開いた口から、炉開きや茶室開きなどふさわしい祝いの道具とも言えます。

 

 季節を考えないで使うならば、出世の道を開くなどの意味をもたせることもできますので、「開」の掛軸と一緒に用いるのも一興です。また、大きな口で不幸を払うなどの意味ももたせやすいので、「無事是貴人」や「六瓢息災」などにも合わせやすいかと思います。

 

 道具に蒔絵がない方が季節に縛られず自由な発想で使えるので、無地棗も愛してやっていただきたいと思います^^