中国東晋・南朝宋の詩人・文学者、謝霊運の「過始寧墅」にある一句。
六朝時代を代表する門閥貴族である謝氏の出身で、才能豊かでしたが傲岸だったため、後に反逆をされて捕らえられ刑死しました。
白雲抱幽石 白雲幽石を抱き
緑篠媚清漣 緑篠は清漣に媚ぶ
この方は漢詩の世界に擬人法を用いた初めての方で、白雲という人ではないものが石を抱き、篠竹がなぎさで枝を垂らして、人に媚びるように水に浸かっているという表現は類を見ないもので、絶賛する人も多いです。
幽石とは「幽寂の石」。幽寂とは「奥深くて物静かなこと」。
白雲とは「立ち上る大きな雲」。すなわち夏の入道雲。
つまり、「深山幽谷にある大きな石を抱えて隠してしまうような入道雲が立ち上っている」という情景を詠んでいます。
これを禅語的に解釈すると、「世俗を離れ、情欲と無縁であるさまを表している」となる訳です。
私は世俗の方が好きなので、この境地には至れないですねぇ(笑)