秋山風月清
書き下し|
秋山風月清し
出典|
杜甫『全唐詩』巻231
秋の山は風も月も清らかに澄み渡っている。原文は「笛吹」から始まる七言連詩。笛がきれいに響き渡るのを聞くと、秋の山々に吹く風も山に掛かる月も清らかに澄み切っていることが見て取れる……とでも訳せましょうか。
原文|
吹笛秋山風月淸 誰家功作斷腸聲
風飄律呂相和切 月傍關山幾処明
胡騎中宵堪北走 武陵一曲想南征
故園楊柳今揺落 何得愁中卻盡生
笛を吹く 秋山 風月の清きに
誰家か巧みに作す 断腸の声
風は律呂を飄して相い和すること切に
月は関山に傍うて幾処か明らかなる
胡騎 中宵 北走するに堪えたり
武陵の一曲 南制を想う
故園の楊柳 今揺落す
何ぞ愁中に卻って尽く生ずるを得し
有名な禅語で、ちょくちょく見る掛軸ですね。
原典は漢詩だったのは知らなかったですが、杜甫の詩だと言われれば、あぁ!と思い至る人も多いかと。私も、「笛吹」で思い出した次第です(笑)
この詩は物悲しい笛の音が郷愁の念を思い起こさせて郷里の思い出である柳を語って聞かせるという内容です。
ですから、禅語ではなく、漢詩に分類しました。