月桑庵では「旧暦・二十四節気を意識した暮らし」を提唱しています。
新暦は確かに仕事をする上では最早当たり前であり、旧暦に意味を見いだせない人の方が多いと思います。
ですが、伝統文化を大切にしようという人たちにとっては、旧暦は無くてはならないものであるということを理解してもらいたいのです。
サツキという花は「旧暦五月に咲く花」だから「皐月」という名前をつけられました。
水無月という和菓子は、「旧暦六月晦日の夏越の祓に食べる厄除け」だから「水無月」という名前をつけられました。
五月晴れは「霉雨(つゆ)の合間の晴れ」のことで、新暦6月の霉雨の時期の晴れ間です。
五月雨は「旧暦五月に降る霉雨」の別名です。
正月に「新春」や「初春」「迎春」というのは、旧暦正月が春の始まりだからであり、新暦1月は冬の終わり、最も寒い「寒中」になります。
また、衣更えについても新暦合わせなんて誰が言い出したんですかね?
因みに盛夏の衣更えというのは『洋服』の衣更えで、これは『夏服』に変えるのであって、そこまで冬の服装である袷を引っ張るなんておかしな話です。四月一日をワタヌキと読むが如く、夏には冬支度は着ません。二十四節気と旧暦とを上手く使って昔の人は暮らしておりましたから。
言葉には意味があり、由来があり、季節と密接に結びついています。
これを無理矢理新暦に当てはめたがために、日本人は季節感が狂ってしまいました。
戦後70年経って「日本を取り戻す」という題目で政府が動いていますが、取り戻すならば全ての根幹である「季節感」を取り戻すことこそ、本当の意味で日本を取り戻し、心の豊かさを取り戻すことに繋がるのではないでしょうか。
草花、雲、空、風など、都会の中でも自然を感じることができるところは多いです。
祭事の本来の意味を見つめ直し、新暦に無理矢理当てはめることなく、旧暦を意識してみてほしいのです。
例えば7月の暑さと8月の暑さの違いに気づいてほしいと感じます。
8月に入ると、7月の押し付けるような雲の厚さがなくなり、空が少し白んで高くなる。それが小さな秋の訪れです。そう!新暦8月は「暑くても秋」なのです。
小さな小さな季節の移り変わりに目を向けると、心の余裕が生まれます。
それを常に実感できるのが茶道です。
まずは、季節感を取り戻してみてください。
一年、試してみませんか?
伝統文化に携わる方々こそが「知らない人たちに教えていく」ことが大事です。
商業的に利用できるからと和風月名を新暦に用いて商売するなど「言語道断の振舞」であるということを認識してほしいですね。