本日は、旧暦五月四日、己亥皐月甲戌。

 二十四節気の第九、芒種(ぼうしゅ)です。

 芒種とは読んで字のごとく「芒(のぎ)の種」のことで、コメやムギなどのイネ科の植物の小穂を構成する鱗片(穎)の先端にある突起のこと。

 芒は禾とも書き、穀物のことを意味し、この頃に種まきをすることが多かったことから、二十四節気の一つに数えられています。

 日本においては、実のところ芒種よりも早く田植えなどが始まるため、実際の農暦とはずれが生じます。これは二十四節気が支那生まれであるので仕方ないことかもしれませんね。

 芒種を漢詩でひくと、「北固晩眺(竇常)」という漢詩にあるそうで、「水国芒種後、梅天風雨涼」という一説があります。「水郷地帯では芒種(陽暦6月6日頃)を過ぎ梅雨空だというのに風雨はまだ涼しい」という意味だそうです。「梅天風雨涼」だけ引いて、御軸になったらいいかも。

 芒種はだいたい新暦6月5〜6日頃で、雑節の入梅が6月11日ですので、ほとんど梅雨と重なります。

 着物は最後の褝(ひとえ)の時期で、夏至を過ぎると薄物に変わってしまいます。雨の日は褝でも過ごせますが、五月晴れの日などは褝だと大汗を掻いてしまうこともあります。

 着物では早取は御洒落とされますから、一足先に夏物というのもよいのではないでしょうか(天候によりますけれども)。

 この時期のお軸としては「耕雲種月」「牀脚下種菜(しょうきゃっかになをうう)」などでしょうか。もうすぐ入梅ですので「白雲流水清」と流れを感じさせるものもいいかもしれません。