土曜日の朝放映されている「チコちゃんに叱られる(NHK)」という番組で取り上げられた「お内裏様」の話。

 

 TwitterやFacebookで一日中流れておりました(笑)

 

 これは「うれしいひな祭り」という童謡の影響です。サトウハチローという作詞家の勘違いで、ずっと使われているため、間違いが定着してしまったということが紹介されていました。

 

 それは

 

「おだりさまとおひなさま」

「ふたりならんですましがお」

 

 の部分です。

 本来、最上段に飾られるのは「男雛」と「女雛」であり、この2体で「御内裏様」なんですね。

 

 内裏というのは、「古代都城の宮城における天皇の私的区域」のことで、内裏にはお后様(正室)もお住まいですし、お妃様(側室)もお住まいです。

 

 つまり、男雛女雛のことを指しています。

 

 では、「お雛さま」とはなんでしょう?

 

 広義では「お内裏様と揃い雛」の総称であり、狭義には「お内裏様を除いた揃い雛」のことを指します。現在では男雛を指して「お内裏様」といい、女雛を指して「お雛さま」と言っている訳ですね。これは大きな間違いです。

 

 しかし、この歌、もう一つ間違いを定着させてしまっています。

 

 それは「あかいおかおのうだいじん」です。

 

 雛飾りは基本的に左上位(ただし、大正以降の雛人形はお内裏様のみ右上位)に置くのが仕来りです。

 

 で、赤いお顔の右大臣というのは、向かって右にある箙(えびら)を負った翁(おじいさん)の雛人形のことを指しているようなのですが、これ、「左近衛中将」なんです。

 

 大臣というのは、公式には内裏に入りません(いや入れますけど、許可が要ります)。

 で、お内裏様の廻りには給仕の女官(三人官女)がおり、内裏の庭で楽師(五人囃子)がいて、その廻りを近衛が警護します。

 

 この警護役のトップが「左近衛大将」と「右近衛大将」ですが、大臣や大納言が兼務することが多くなると、武官としての性格がなくなり、名誉職のようになっていきます。そのため、雛飾りにも武官のトップである「中将」が使われました。この役職もだんだんと兼任が多くなりますが、武官のトップとしての性格は失われませんでしたので、左近衛中将と右近衛少将が選ばれたようです。

 

 現在では随身とこの2体を呼びますが、本来随身とは近衛将軍に随伴する上級武士のことであり、この2体のことを指しません。

 

 さらにその下にいる仕丁(しちょう)と呼ばれるのが庶民であるとされますが、これ、三大臣がモデルだったとも言われています。

 

 仕丁が持つ「箒」「熊手」「箕(ちりとり)」は、元々「婦人の神器」なんですね。

 箒は「宗廟を清める道具」で、熊手は「幸福を集める道具」で、箕は穀物から塵や殻を取り除くことから「民の声なき声を聞き取る道具」の意味です。

 

 そのあたりが雑務と勘違いされて雑役の雛人形として考えられるようになっていたみたいですね。大体、お内裏様のみの飾りを親王飾りとも言うように、皇太子や皇子を模したものですので、楽師や給仕の女官はともかく、庶民が列席する行列って変だと思わないですか?(笑)

 

 雛人形、正しくご存知でしたか?