当家にある茶杓は基本的に茶杓師・安住樂風兄に頼んで作ってもらっている一品物です。

 

○古田織部作宗句参写(武祖八種)

 銘『更参』 

 『更参三十年』より

 

○片桐石州作松右衛門佐様写(武祖八種)

 銘『不知火』

 松右衛門佐は黒田忠之のことで、黒田忠之といえば黒田騒動。黒田騒動は幕末に「しらぬひ譚(ものがたり)」という長編歌舞伎になったので、そこから。

 

○千道安作無銘写(千家八種)

 銘『石動』

 道安の茶会に利休が招かれて亭主を待つ間に、「飛び石の据え方がひとつだけ高い」と言ったところ、勝手で聞いていた道安は、中立の間に直していたという故事から。

 

○千少庵作利休直し矢瀬写(千家八種)

 銘『八瀨』

 矢瀬とは、京都府京都市左京区にある八瀬のこと。当時の地名が矢瀬だったものを、現代の地名に変えたもの。

 

○川上不白作きりぎりす写(町祖八種)

 銘「機織虫」 

 きりぎりすの別名が「機織虫」。
 秋来れば機織る虫のあるなへに唐錦にも見ゆる野辺かな(拾遺和歌集)

 

○足利義政作?笹葉写(外異八種)

 銘『馬来田』 

  馬来田の 嶺ろの笹葉の 露霜の 濡れて我来なば汝は恋ふばぞも(万葉集・防人歌)より

 笹葉の和歌を探して、地名のあるものを選びました。

 

○村田珠光作茶瓢写(外異八種)

 銘『玄瓢』

 煤竹の黒さを玄として。

 

○瀬田掃部作石原休伯様写(外異八種)

 銘『観月』

 利休が贈った「瀬田」に因む。瀬田掃部所持の高麗大平茶盌に相応しい茶杓として削られた銘杓「瀬田」。茶盌を琵琶湖に見立て、茶杓を瀬田橋に見立てたもの。これを仮借して、茶盌に「不忍(しのばず)」と銘し、茶杓を不忍池に架かる観月橋に見立てて「観月」としたもの。

 

 

 外異八種が三振りも。

 基本的には写ですので、元の茶杓から物語を広げてつけるようにしています。

 統一性はありませんが、そこはやはり、茶杓を見て、考える訳ですので、その時その時のインスピレーション(ただの思いつきともいう)が大事ですね♪