みっともない着物の代表格がこの2つ
花魁振袖
女郎浴衣
です。
花魁振袖というのは、花魁風の着付けを施した成人式のコスプレで、近年派手になっていく成人式に登場したものです。
花魁というのは禿(遊郭に住む童女)や新造(まだ水揚げの済まない見習い女郎)がついている姉女郎のことを「おいらのところのねえさん」の意味で「おいらん」と呼んだことからついたと言われ、神事が云々というのは間違いです。
ちなみに「花魁」は当て字であり読み方もなにもあっていないのですが、落語『紺屋高尾』の元になった馮夢龍編著の白話小説集『醒世恒言』所収の「売油郎独占花魁」の王美娘(『紺屋高尾』の高尾にあたる)という登場人物のあだな「花魁娘子」から、「おいらん」に「花魁」の文字を当てられたとも言われています。
もともと高級遊女は「太夫」だったのですが、吉原から太夫がいなくなり、宝暦以後、高級遊女を「花魁」と呼ぶようになったものです。現代で言うならレンタルAVの単体女優さんですかね。
ですから、花魁はそもそもが「遊女」です。
その花魁の格好で、成人式に出るということは「私は遊女です」と宣言していることになります。あなたは本当にそれでいいんですか?何十年後かに見たとき後悔しませんか?
それと同等にみっともないのが女郎浴衣。
これは、夜鷹や辻君、惣嫁という下級遊女の格好で、肩まで開け鎖骨を見せるような浴衣の着方です。夏になると暑いからなのか衣紋を抜きすぎて襟を開けて女郎浴衣になって電車にのっている女性をたくさん見かけます。襦袢も着けずに電車に乗るなんてはしたないですから、やめましょう!
花魁なら「断る権利を持っている」のですが、夜鷹などは断る権利を持っていない箱物の風俗嬢といったところでしょうか。
こうした恰好、好き好んで人前でするのは正直どうかと思います。
正しい知識を身に着けて、理解してからやってほしいですね。
あ、そうそう、花魁の恰好をしたら気をつけてくださいね、動いたら絶対に着崩れます。
そして、花魁着付けはまず素人では直せません。
花魁はコスプレとして写真撮影だけに留めておくことをオススメします。