念願の広口釜です。

 広口釜とは、口の大きな釜で、大体寒中に用いられるのを見かけます。

 口が大きいということは、湯気が一度に立つからで、一年で最も寒い旧暦十二月に相応しい釜と言えます。

 もう一つ言えば、口が大きいのですから、蓋も大きいです。そのため当流では蓋置の位置や蓋の扱い方が他の釜蓋と異なります。

 これで、広口蓋の稽古ができますね!
「つもり稽古は身につかないから、駄目!」と師匠に言われてましたので、やりたい稽古は道具を揃えなきゃなりません。

 さて、地紋の菊と桐。ぱっと思いつくのは棗などの『高台寺蒔絵』です。なのに『政所』というのは簡単です。高台院北政所――豊臣秀吉の妻・ねねにちなんでのことなのです。

 高台院に縁の深い高台寺は、菊と桐の意匠がふんだんに用いられたお寺です。ですから、菊と桐の蒔絵を『高台寺蒔絵』という訳ですから、釜も「高台寺釜』で良かったように思いますが、政所釜です(笑)

 菊胴釜の異名もあり、姥口・鬼面鐶付・唐銅花の実撮みの本歌は与次郎あるいは浄味の作と言われます。

 月桑庵でも、来年1月(旧暦十二月)の寒中に使いたいと思います♪