前にも書きましたが「誂える」と「仕立てる」は全く意味が違います。
「誂える」というのは「白生地を選び、柄を選び、配置を決め、色を選び、染め上げてもらって、仕立てること」です。
コレに対し、既に染め上がっている反物で召し物を作ることを「仕立てる」といいます。
洋風に言うとフルオーダーというシステムが誂えるに該当します。
スーツのフルオーダーはもちろん生地見本から選び、色や柄を選び、デザインを決め、ポケットやボタン、裏地なども選び、仕立ててもらうことを言います。
セミオーダーというのは、生地が限られており、既に店が入手しているもののなかから選ぶものを言います。
デザインなどが決められているものをパターンオーダーといいます。
着物を反物から仕立てるのはこのパターンオーダーに当たります。
日本の着物は原則デザインを変更できませんので、セミオーダーというスタイルがないんですね。
昔の呉服屋というのは白生地を持っていて、生地見本や柄見本を元に客と話し合って染めて仕立てて……という風にしていました。現在でもそれをするのは色紋付ぐらいでしょうか。留袖や振袖もほぼパターンオーダーですものね。
なので、いまや誂えることはほとんどありません(普通の人はですが)。
江戸時代から誂えるのは金持ちの特権みたいなものでしたからねぇ。