師匠が数十年前に買われた茶杓で、お稽古に要るでしょ?とお借りした際に、筒を誂え師匠にお見せしたところ「あたしよりあんたのほうが大事にするわね」と譲ってくださいました。
それほど上等なものではないことと、切留の所に缺(か)けがあるのですが、気に入って使っています。
指打ちの稽古に丁度良い感じだからです。
この愛用の鼈甲に銘をつけてやろうと思いたち、最初は、「黒斑(くろふ)」という変哲もない名前にしようと思ったのですが、しっくりしないなぁ〜と思って、放置していたのですが、今回のお茶会へ行こうで、図らずとも『久世』という銘に決まりました。
実は「黒斑」というのは、鷹の羽の別名で、あり、これに関係した銘にしようと思っていたのですが、鷹の羽といえば、家紋。
家紋を色々調べていると「鷹の羽」紋でも様々な違いがあります。その中でふと目に止まったのが、「違い鷹の羽に黒斑」でした。
この家紋を使っているのは「関宿藩久世氏」。しかも、この久世氏は大名屋敷に茶室一円庵を造るのに川上不白に依頼し、明治になって、江戸千家にこの茶室を譲っています。
これは、この茶杓にぴったり!と思っていたら、茶杓師の安住樂風氏から、「久世は救世に通じるし、いいんじゃない」と言われ、「救世観音にも通じるなぁ〜」と思い、確定しました。
あとは筒書きするだけです(笑)
