【道歌】

風炉うるし炉は土石と香合を
ひとえに思ふ人はあやまり 道舜

 江戸時代にあっても、風炉の時期に陶器(土物)や瓷器(石物)の香合を用いることがありました。

 これらは古法にある「菓子器との取り合わせ」によって変わったものであります。

 菓子器は風炉の時期、ひんやりとした陶器や瓷器を良しとして、炉の時期には温もりを保つ漆器を良しとしました。

 暑い時期には涼しさを、寒い時期には温かさを配慮するということもありますが、食べ物の腐敗や温度管理という意味もありました。

 こうした蓋物は盒子(ごうず)と呼ばれ、香合も同じ仲間になります。

 ですから、同じ素材を用いず、陶瓷器を炉に用い、漆器や木地を風炉に用いた訳ですが、よくよく考えてみると、菓子を懐石の最後に菓子椀や縁高で出す場合、漆器が用いられていることになり、盒子としては重なってしまいます。

 そこで、陶瓷器の香合を風炉の時期にも用いたということであるようです。

 陶瓷器で写された円菓子で菓子を出すような場合は炉であっても、木地や漆器を用いるようにするのが望ましいと言えます。

 皆様の流派はどのようにお教えですか?