日本の建築において原則として避けられる部屋の建て方に「差床」というものがあります。

 これは天井の竿が床に対して直角に交わるようにつくられたもので、天井に限ってのことです。

 

 江戸時代、切腹部屋として使われていたという言い伝えがあります。

 

 ところが、これを畳にまで適応した例が見受けられます。

 この畳にも適応した例は現代になって言われるようになったもので、江戸時代にはみられません。

 

 これを「差(挿)床」とか「床挿し」といいます。

 

 

 先日、書いた記事で、祝儀敷きと不祝儀敷きというものがあるといいましたが、これは江戸初期に畳が日常的に敷かれるようになってから広まったものでありますが、それ以前からも似たような形で用いられていたようです。ただし、部屋の形などで不祝儀敷きになったりしている部屋もあります。

 

 茶室においては不祝儀敷きになりそうな場合は、点前畳を台目畳にすることで、不祝儀敷きを避けるように工夫されていることも、江戸初期以前から不祝儀敷きを避けていたことが伺えます。

 

 

 

 さて、板橋区立文化会館の洗心庵については、このように改善することが望ましいと思います。

 

 畳の腹差しは関係ないということですから、普通の順勝手で構わない訳ですね。

 ただ、このままですと躙り口が貴人畳を超えて入るような形になるので、できれば、貴人畳の脇に躙り口を移したいところです。

 

 理想としては、床の位置を貴人畳のところにもってきて、躙り口から床が見えるようにしたいものですが、なかなかそれは設計的に難しいわけでして、改善案のようにするしか現状はないと思います。

 

 これですと、畳を新調さえすれば、直すことができますので。

 せめてこのぐらいの対応は即時行っていただきたいものです。

 

 が、世の中予算というものがあるので、そうもいかないのが現実です。

 今回は、茶華道連盟を通じてお返事がありましたし、理事長ならびに茶道部長から取り成しもありましたのでこのまま使わせていただきますが、対応していただけないようなら、私は二度と板橋区立文化会館を利用したいと思いません。

 

 茶室というのは、建築家や設計士だけではなく、きちんと勉強をした茶人が監修してこそのものであることを、まず認識していただきたいと思うのです。