月桑庵の稽古では茶杓の銘をお弟子さんに考えてもらっています。

 これは入門稽古(平点前)が終わり初伝の稽古に入った方以上のお稽古です。

 茶杓の銘には

 ・禅語
 ・景色
 ・和歌
 ・漢詩

 がほとんどで、最近は高名な和尚による銘が主流ですが、私は自分で付けるのが好きです(笑)

 模宗勿参織部茶杓は「更参三十年」から「更参」という銘にしましたが、次の茶瓢写は禅語ではない銘をつけようと思っています。

 また、安住樂風氏の上がり節は「未望」としており、これは李白の「望盧山瀑布」の漢詩からとりました。私もいつか盧山を望みたいが、未だ望まず節に見る盧山の影……という思いを込めたものです。

 また、稽古に用いる瑕ありの茶杓は「一點」としています。これは丁度追取の手を添えるところに印のように瑕があるためで、「自分が茶杓を持つ際に同じところを持てるようにつけたかのような一点である」という意味です。

 このように、愛用の道具には銘を付けてやると愛着も増し、また、その度に知識も増えていきます。

 稽古の際には、季語、景色、思い、禅語などから、相応しい銘を付けてください。

 お茶会では「その御銘の由来は?」などとお尋ねして、話に花を咲かせるのもまた一興。

 和尚の御銘ではない亭主・席主愛用の茶杓との出会いもまた御馳走なのです。