茶杓にも当然真行草がありますが、真行草だけと思っている人が多いように思います。

 筒や扱い、道具組みを考えるとき、真之真から草之草までのルールを身につけて置かなければ、正しい組み合わせは見えてきません。

 多くの道具が「材質の格×形の格」という組み合わせで規矩が成り立っているのに当てはまらないのが茶杓でした。

 何が当てはまらないかといえば、例えば竹でできた真茶杓は、竹が材質の格としては草ですから、草之真になり、草筒に入るはずですが、必ず真筒に入っています。

 これは侘茶の大成で「竹茶杓が侘茶の基本となり、規矩が大きく変化した」ことによります。

 竹の茶杓は「削った人間の人格が出る」と言われるほどで、内面が重視され、それ故選ばれる形がそのまま道具の格となり、真茶杓は真之草、行茶杓は行之草、草茶杓は草之草になります。

 茶杓は

 真之真~真之草が真筒
 行之真~行之草が行筒
 草之真~草之草が草筒

 となります。

 茶杓は竹を基本とした場合、形×材質で格が定まる。それ以外は材質×形であることは他の茶道具と同じです。

 象牙の茶杓は全て唐物であり(象牙そのものが輸入品であるので)、真の材質となります。

 木地、鼈甲は草の格となり、形が無節である場合、扱いは真の拭き方ではあるものの、道具の組み合わせとしては草之真となる訳です。

 漆器を草とする場合もありますが、基本的には塗の分類で真行草に別れます。真とされるのは真塗のみで、その他の蒔絵、朱塗りさなどは行に分類され、拭き漆などが草となります。

 ただ、これらは流儀によることもあり、扱いも異なるので、一概に鵜呑みにしてはならないというのが茶道の難しいところですね。