規矩作法 守り尽くして破るとも 離るるとても本を忘るな

 これは千利休の遺したとされる利休道歌(百首)の一つで、茶道の根幹というよりも「習い事」の真髄を言い表している歌です。

 茶道の本質である「和敬清寂」の「和」は「以和為貴」の「和」であり、仲良くしようというものではないことは、散々に当blogでは語っておりますが、この中に「身分の上下」「地位の上下」「老若」といったものに敬意を払うということが含まれています。

 つまり、先達に敬意を払うということ即ち「守」であるということです。
 先達に対する敬意を忘れた段階で、それはもはや礼に非ず。無礼または失礼であるということになります。

 そして、破るとは「破れを見つける」の意味であり、「ルールを破る」ということではありません。
 でなければ、「離るるとても本を忘るな」という句の意味が通じなくなります。

 破れを見つけるのは繕うためであり、そして本に戻って再びこんどはそのルールから離れてみる。新しい規矩を見つけるにはそれが必要ということです。

 無秩序に崩せば、それは「文化を壊す」ことになります。
 だからこそ、奥秘に至らぬ者が「勝手に崩すことの恐ろしさ」を茶道を学ぶ人にはもっと感じてもらいたいのです。