日曜日、豊島園の近くにある向山庭園でのお茶会に招かれていってまいりました。

 および下さったのは山田仙秀先生。
 大好きな先生で、私が「掛軸」を中心に考えるようになるきっかけになった方です。大日本茶道学会の方ですが、「茶道の心を味わう研究会」などを積極的になさっていて、とても素晴らしい方です。

 向山庭園というのは、練馬区の管理する多目的施設で、江戸間ですし、電気炉壇ではありますが、お茶室もあります。実は以前、表千家のお茶会に招かれた際に一度だけ来たことがある場所でした♪

 一席目は早速仙秀先生のお席。
 掛軸は「是」。碧巌録のお話がありまして、清風匝地のお話しがでまして、さすがは仙秀先生だなぁ……と。炉にあえて風炉の装いで野点の野趣をとりこまれて古萩の平茶盌を出されるなど、到底普通の茶人にはできません。枯れたお点前でとても素敵でした。将来あぁいう茶人になりたいですね!
 古萩は本来三代まですが、「今はもう六代でも古萩といっていいでしょう」などという話も出て、改めて、ある程度はいろんな話を知らないとやはり正客は務まらないなぁ~なんて思ってました。

 お棚は流好でしょうか、隅丸(江岑形)の爪紅……ですが薄暗かったので、青漆か黒かは解りませんでしたが、シックですてきな小四方棚でした。水指も芋頭っぽい感じでやはり小四方棚には芋頭が合うなーなんて見てました。

 茶杓は息子が興味津々。
 櫂先がちょんととがった兜金形。芽節になっていて、とても気に入ったようです(というか六歳にして茶杓が好きとかどうなの?!って感じですが)。

 実は、案内の方に正客を頼まれていたのですが、入っていくと「え?どこが正客?」というような状況でした。というのは「入口が正客の座」だったんですよ。といっても「入口をいきなり埋める訳にはいかない」ので、一番奥に坐った訳ですが、そこはお詰めな訳です。申し訳ないことをしたなぁ~と思いつつ、なかなか難しい間取りだなぁ~とも感じました。大名茶なら、床前が必ず正客の位置ですし、町人茶は炉に一番近いところになるんですが、入口を塞いで正客の前をぞろぞろと連客が通るというのもおかしな話なので、私が使うときは、お詰めさんからお入りいただいて、正客を最後にするか、床拝見と道具拝見をしていただいて、全員入り終わってから座を改めていただくようにしよう……などと考えていました。お茶席というのはほんとうに難しいものですね。


 二席目は江戸千家の方お二人でお席主をされていらっしゃいました。
 こちらは離れの茶室といった趣ですが、躙り口風の躙り口ではない戸になっていて不思議な入口でした。

 こちらでも正客を乞われて、高上りさせていただくことに。
 江戸千家さんのお席は初めてで(不白流は入ったことがあります)したので、勝手が解らず、いつもの調子でぺらぺらと。お棚が雪輪棚という江戸千家特有のお棚で、卓下建水(鉄盥)を用いるお棚でした。形として紹鴎水指棚を下に長くして卓下建水が入るようになっていると考えてください。紹鴎水指棚は香狭間透が二つですが、上は香狭間透、中は雪輪透という風情です。

 雪輪というのは江戸千家・不白流の流紋で、亭主や席主さまの帛紗には雪輪が控えめに入っておられました。やはり流紋というのはいいですね。私も持っていますが、やはり流紋を使うのは「流派を負っている」ということですし、他流の方々の前で流派の面子に泥を塗らない自分にならなければと思いますし^^

 お棚の話にすっかり夢中になってしまい、茶盌のことをもっとお話ししたかったかと思うのですが、粉引の時代物とのことでさらりと流されてしまいましたが、釉溜や高台跡がなんともいえない風情を醸しており、次客茶盌の大樋の飴釉との取り合わせもコントラストがあって大変結構なお席でございました。

 午前中に二席回り終えてしまい、点心を。
 実は、何度か「お茶会へ行こう」へ来てくださっているミキヤさんとご一緒させていただいていたんですが、そんな中でミキヤさんが息子に質問したときの会話が面白かったです。

ミ「上野動物園とお茶会とどっちがいい?」
息「上野動物園は行ったことある」
ミ「いや、こんど行くとしたら」
息「うーん……お茶会かな」

 ミキヤさんは息子が私に気を遣って言っていると思ったらしいのですが、食事が終わってから扇子を買わないとという話になって

ミ「お茶道具一緒に見に行く?」
息「うん!行く!」

 この時の目の輝きようをみて「あぁ、本当にお茶会に行きたいんだわ、この子」と思ったそうです。


 で、池袋まで戻りまして、東武百貨店へ。
 いつもの茶道具売り場で、うろちょろする息子を後目にミキヤさんに「ウチは女性五寸五分、男性六寸五分なんですが、別に絶対それじゃなきゃダメと言う訳ではないので、売ってないし五寸でもいいですよ」説明。茶杓などもいろいろ順樋と逆樋の説明なども一通り。

 その後、京洛老舗の会というのが8Fの催事場やっていたので、覗きに行こう!ということになりまして、なんというか「顔を覚えられている」ことが判明。

 覚えていらしたのは末富の方と楽入窯の方(ほかにもいらしたような気がしますが)。塩芳軒は今回は大きなブースででてまして、末富はいつもの小さなショーケースでした。

 塩芳軒は「雪まろげ」、末富は「うすべに」で有名です。

 で、問題の楽入窯。
 私、先代の楽入さんの作品が非常に好きで「いつかは楽入」って思っていたんです(あんまり言いませんでしたがw)。織部は意外と手に入るんですが楽入の「作家物」はなかなか手が出ません。角印や丸印は手に入るものなので特に欲しいとは思わないのですが(正直に云うと、丸印だと遊び過ぎ、角印ならば松楽の方が入手しやすく値ごろ感があります)、特に先代の手は一味違うというか、本当に好きなのです。当代のものもいいのですが^^

 そこで見つけちゃいましたよ。
 朱黒四方水指。
 風格が全く違います。

 もう、なんというか「呼ばれてる」気がしました。
 これはいい。

 器膚がしっとりとして手に馴染み、朱が赤すぎず昏すぎず、下から炭火がまだ燃えているのではないかという温かみを感じさせるような釉景。大きさ的には普通水指よりも大きめで、運びが一番似合いそうですが、一閑長板小にも似合いそうです。

 一度、考えさせてくださいと名刺を渡していただいて、息子を預けに行って、もう一度戻ってしまいました。今、家にあります(爆)

 二週間後に箱が届くまでは、眺めていようかなぁ~と思っていますが、到頭新品の作家物に手を出し始めてしまいました(汗)

 うひーーーー、塗箱作って、副銘でもつけますかねぇ~。