裏千家には奥秘十二段というものがある……というのは意外と知られています。
 真台子が真之行台子点前、乱飾が行之行台子点前として、教えられていることから、真之真~草之草まであるに違いないと想像する人は多いでしょう。

 ですが、どの流派にも真之真~草之草まである訳ではないというのは、有楽流が四段しかない(真行草と乱飾)ことを知ると、気づきます。元々、奥秘は能阿弥の作った「極真の真行草」の三段であったと考えられるのです。

 乱れとは、本来唐物の点前であった真台子の点前に和物が登場することから始まるのだそうです。そこから徐々に和物・国焼が入ってきて、最終的に草之草まで行きつき、侘びた点前の原型とされるということだそうです。

 本来奥秘とは「道具の真行草」「点前の真行草」を知るための極意だそうで、茶人としては目指すべきところであり、これを知らずして「茶道を知っている」とはいえないのだろうな……と思います。

 まだまだ、浅学の身。
 精進しつづけて、授けていただける自分になれるよう、今知る点前を再び習い直して、もし、奥秘に触れることあれば、「そういうことだったのか!」と思えるほどに疑問を貯めておかなければなりません。

 それとは別に、奥秘の研究というのは、面白く、歴史……特に茶道史を詳らかにする部分もあり、ことさら学者肌の私としては、友人からも「理が勝ちすぎる」と言われてしまいますが、こればかりは、性分と諦めていただいて、研究に進みたいと思います。

 と言う訳で、新テーマ「【茶道】奥秘」を作りました。
 奥秘についての話はこのテーマでさせていただきます。