懐石とは、「懐に入れた温石(おんじゃく)」のことで、「禅僧が寒さや空腹をしのぐ目的で温石を懐中に入れたことから、客人をもてなしたいが食べるものがなく、せめてもの空腹しのぎにと温めた石を渡し、客の懐に入れてもらった」とする説が一般的です。
元々は「会席」と書かれていたものが、江戸時代に体系化され、現在の茶懐石の形式にまとめられたとされています。現在では懐石と会席では手順が違い、酒宴的な会席と、茶をいただくための懐石ということから、音が同じため茶事で行われる懐石のことを特に「茶懐石」と言ったりします。
一汁三菜(汁椀・向付・煮物・焼物)が基本であり、膳は飯・汁・向付(むこうづけ)を載せて出され、煮物、焼物、強肴(しいざかな)が後から出されます。ここまでが「飯事(はんじ)」で、八寸以後を「盃事(はいじ)」と呼びます。
飯事と盃事を合わせて「茶事(ちゃじ)」とも言います。
茶事は七種あり、「正午の茶事」、「朝茶」、「夜咄(よばなし)」、「暁の茶事」、「飯後の茶事」、「跡見の茶事」、「不時の茶事」となります。
正午、朝茶、夜咄、暁は茶事を行う時間帯や季節によって変わるものです。
飯後の茶事は、八寸がついたり、菓子だけだったりと省略した茶事で、現在のお茶会の原型になります。続きお薄なども行われます。
跡見の茶事は、正午の茶事を行った後に行われる茶事で、参集できなかったりした客が亭主に乞いて行うものです。懐石を略したり、薄茶だけにしたり、濃茶続きお薄などをしたりします。
不時の茶事は、突然見えた客をもてなすためのもので、正式な決まりはありません。
以下の例は正午の茶事の順になります。
①待合
待合にて白湯または昆布茶、桜湯、梅湯などを出します。白湯は素湯とも書き、その日使う水を沸かしたものを飲んでいただくのが目的だったそうです。近年では、趣向に合わせて生姜湯や柚子湯なども出したりします。これを「汲出(くみだし)」といいます。
待合にては莨盆が出て、待ち時間の間、莨を吸い、歓談して、汲出を頂きつつ、正客から順に挨拶をします。
莨盆が置いてあるところが、正客の場所です。
頃合いを見て、亭主が汲出を出します。予め席順が決められている場合もありますが、多くの場合、正客とお詰めだけを決めてあり、「香札(こうふだ)」などで順番を決めます。亭主は正客と詰めを省いた数の香札を「折据(おりすえ)」に入れ、客は引き札を伏せて置き、全員に配り終わったら、表に返して、若い順から客順を決めます。決まりましたら、お詰めが「お任せを」といって、汲出を預かり、正客から順に配ります。
汲出が配られたら正客より挨拶があります。以後、客順に添って挨拶し、汲出を全員が飲み終えたら、お詰めが汲出茶碗を盆に戻します。戻し終わったら、「板木(ばんぎ・はんぎ)」を員数分打ちます。流派によって、板木の打ち方が違いますが、大大中小大と五つ打ち、あとは小で員数分だったり、大中小、大大中中小小小などのように調子を整えて打ったりと、人や流儀にさまざまです。流儀では、最初の大と最後の大が決まりで、後は調子を整えて五つ打つとのこと。基本的には
、員数が揃いましたということを水屋に知らせることですので、畏縮してしまうより思い切ってやったらいいと思います^^
②席入
懐石の席入といっても、特に変わることはありません。
床の拝見、道具拝見と順番に行います。客は拝見の邪魔にならないところに仮座し、お詰めは、部屋に入りましたら、少々大き目に音を立てて襖を閉め、水屋に全員の席入が済んだことを伝えます。とはいっても拝見の時間がありますので、頃合いを見て、亭主は挨拶に入ります。
お詰めの拝見が終わりましたら、全員改めて着座します。
③挨拶
席主からそれぞれに挨拶があります。
懐石では扇子を仕舞いません。右膝脇に出しておきます。席主が入ってきたら、さっと縁外三目に置き、亭主の挨拶を待ちます。自分の番になったら一礼し、「本日はお招きいただきありがとうございます」と挨拶します。時候の挨拶などは正客が済ませてしまいますので、連客は簡単に日頃の感謝をいたしましょう。前の人と同じことを言わないように気を付けましょう。終わりましたら一礼します。
全員への挨拶が終わりますと、席主は「それでは粗飯を差し上げます」と挨拶をしますので、総礼します。
本来はここで炭点前が行われます。
④配膳
正客の分は席主または亭主が運びます。
運ばれて来たら、一礼し、一膝でて、右手、左手と膳に手を添え受け取ります。膳を三目出して膝前に置き、一礼します。
⑤会食
お詰めまで配膳が終わりましたら、席主が「不加減ではございますが、お召し上がりを」と言って退座します。
正客が「それはみなさまご一緒に」と言い、連客は「御相伴させていただきます」と挨拶をします。
先ず、飯椀の蓋を取り、汁椀の蓋を重ねます。蓋の置く位置は、右横向こう寄りです。
懐石の箸は杉の両削ぎで、充分に水に浸してありますので、汁に浸ける必要がありませんから、飯を一口、汁を一口いただきます。できるだけ早めに汁を吸い切り、飯を一口残します(この時は残さずともよい)。吸い切ったら、汁椀の蓋をします。
お詰めは特に汁椀を吸い切るときは、「ずずずっ!」と音を立てます。この音で、亭主は吸い切ったことを知るからです。
⑥酒
亭主は銚子と盃台を持って入ります。盃台は次取りで回します。
この時、飯櫃がでますので、員数分、ご飯を取り、詰めは取きります。
ご飯を取ったら、汁椀を下げてもらい、汁替えをします。
やはり、汁は早めに吸い切ります。ご飯は食べきっても構いません。
⑦煮物
正客の分だけ煮物椀を持ってきます。連客は、長盆で数出しです。
煮物椀は、膳外の向付き正面に置き、一礼します。
煮物椀の蓋は、飯椀に伏せます(流派によっては横に置きます)。一口汁を賞味して、中身をいただきます。
懐紙で向付を拭きます。
ここで客同士、酒を注ぎ合います(立ち上がらず両隣へ)。
⑧焼物
亭主は焼物を鉢で、青竹の菜箸を添えて出します。
客は、一つずつ、向付に取り、お詰めは鉢を自分の前の勝手付に寄せます。
この時、飯櫃が出ますので、要る分だけ取ります。最低一口は取りましょう。ご飯は一口分(3分の1)残します。
ご飯を取ったら、替え汁を正客にたずねられますので、辞退します。
⑦強肴(しいざかな)
亭主は汁が吸いきられ、煮物が終わったころを見計らって、強肴を出します。
鉢で員数分ありますので、向付か煮物椀の蓋に取ります。
この際、預け徳利が出ます。亭主が注いでまわり、正客に預けます。
預け徳利の場合は、ぐい呑みがでることがあります。
詰めは席を立ち、酌をして回ります。
⑧相伴
お詰めまで鉢が回ったら、正客が亭主に「ご一緒にいかがですか」と言い、亭主は「勝手にて御相伴にあずかります」と
いって退席。水屋側で食事を取ります。
亭主が下がったら、お詰めは盃台を正客に戻します。次取といって、手回しをする流派と、戻しといって詰めがにじり出て戻す流派とあるようです。
この時、お詰めは空いた鉢や徳利などを給仕口に戻します。
食べ終わったら(ご飯は一口残しておく)、飯椀・汁椀・煮物椀に蓋をします。煮物椀の蓋は懐紙で拭っておきます。
⑨挨拶
頃合いを見て、亭主は顔を出し、「お粗末さまでした」と言う。空いた鉢や徳利などを片付けます。
吸物椀(箸洗)を持って出て、煮物椀を下げます。
⑩八寸
八寸を持ち出して、海物を吸物椀蓋に取り、酌をして回り、再び正客に戻りましたら、正客は亭主に盃の持ち出しを勧め、亭主は「お流れを」と言って、盃をお借りして、返盃を受けます(酌は次客が行う)。山の物を吸物椀蓋に取り、正客に渡し、正客の盃を借りて次客に渡します。これを千鳥と言います。詰めまで終わったら、亭主は正客に盃を返し、酌をします。
正客は頃合いを見て、亭主に酒を注ぎ、納盃の挨拶をします。
⑪湯桶
亭主は続いて、香の物と湯桶を出します。客は飯椀と汁椀の蓋を空け、香の物は飯椀の蓋に取り、湯桶を汁椀と飯椀に汲みます。沢庵で椀を綺麗にして、白湯を飲み干します。
⑫清め
終わりましたら、箸を懐紙で拭き、右側に箸を少し出して置きます(都流では本来左側です)。
向付を懐紙で清め、飯椀・汁椀を重ね、蓋を重ねて盃を重ねます(正客は盃を返していますから盃は載りません)。
⑬落し
正客は詰めまで全員が拭き終ったら、「ご一緒に」と声を掛けて、全員で箸を落します。
この箸を落とす音で、亭主は再び出てきて「お粗末さまでした」と挨拶します。客は「御馳走さまでした」と答え、亭主は香の物鉢と湯桶を下げ、膳を片します。お詰めのみ、立って膳を給仕口まで運び、亭主に渡します。
箸を持ち上げて落とす流儀もあり、ウチのように左側に箸を出したり、右側に箸を出したりと様々なので、周囲の様子を伺い、手を掛けておくといいかな?と思います。
⑭菓子
茶事で濃茶を催す場合は、亭主はそのまま縁高を持って正客の前に坐り、中立の挨拶をして給仕口を閉めます。
客は菓子を食して、中立します。
⑮中立
中立は席退と同じです。これを名残の拝見と言います。
懐石に先だって炭点前をするのが一般的ですので、こののちの設えが多少変わるため、このようにいたします。
中立後は本来腰掛待合にて、座が清まるのを待ちます。
元々は「会席」と書かれていたものが、江戸時代に体系化され、現在の茶懐石の形式にまとめられたとされています。現在では懐石と会席では手順が違い、酒宴的な会席と、茶をいただくための懐石ということから、音が同じため茶事で行われる懐石のことを特に「茶懐石」と言ったりします。
一汁三菜(汁椀・向付・煮物・焼物)が基本であり、膳は飯・汁・向付(むこうづけ)を載せて出され、煮物、焼物、強肴(しいざかな)が後から出されます。ここまでが「飯事(はんじ)」で、八寸以後を「盃事(はいじ)」と呼びます。
飯事と盃事を合わせて「茶事(ちゃじ)」とも言います。
茶事は七種あり、「正午の茶事」、「朝茶」、「夜咄(よばなし)」、「暁の茶事」、「飯後の茶事」、「跡見の茶事」、「不時の茶事」となります。
正午、朝茶、夜咄、暁は茶事を行う時間帯や季節によって変わるものです。
飯後の茶事は、八寸がついたり、菓子だけだったりと省略した茶事で、現在のお茶会の原型になります。続きお薄なども行われます。
跡見の茶事は、正午の茶事を行った後に行われる茶事で、参集できなかったりした客が亭主に乞いて行うものです。懐石を略したり、薄茶だけにしたり、濃茶続きお薄などをしたりします。
不時の茶事は、突然見えた客をもてなすためのもので、正式な決まりはありません。
以下の例は正午の茶事の順になります。
①待合
待合にて白湯または昆布茶、桜湯、梅湯などを出します。白湯は素湯とも書き、その日使う水を沸かしたものを飲んでいただくのが目的だったそうです。近年では、趣向に合わせて生姜湯や柚子湯なども出したりします。これを「汲出(くみだし)」といいます。
待合にては莨盆が出て、待ち時間の間、莨を吸い、歓談して、汲出を頂きつつ、正客から順に挨拶をします。
莨盆が置いてあるところが、正客の場所です。
頃合いを見て、亭主が汲出を出します。予め席順が決められている場合もありますが、多くの場合、正客とお詰めだけを決めてあり、「香札(こうふだ)」などで順番を決めます。亭主は正客と詰めを省いた数の香札を「折据(おりすえ)」に入れ、客は引き札を伏せて置き、全員に配り終わったら、表に返して、若い順から客順を決めます。決まりましたら、お詰めが「お任せを」といって、汲出を預かり、正客から順に配ります。
汲出が配られたら正客より挨拶があります。以後、客順に添って挨拶し、汲出を全員が飲み終えたら、お詰めが汲出茶碗を盆に戻します。戻し終わったら、「板木(ばんぎ・はんぎ)」を員数分打ちます。流派によって、板木の打ち方が違いますが、大大中小大と五つ打ち、あとは小で員数分だったり、大中小、大大中中小小小などのように調子を整えて打ったりと、人や流儀にさまざまです。流儀では、最初の大と最後の大が決まりで、後は調子を整えて五つ打つとのこと。基本的には
、員数が揃いましたということを水屋に知らせることですので、畏縮してしまうより思い切ってやったらいいと思います^^
②席入
懐石の席入といっても、特に変わることはありません。
床の拝見、道具拝見と順番に行います。客は拝見の邪魔にならないところに仮座し、お詰めは、部屋に入りましたら、少々大き目に音を立てて襖を閉め、水屋に全員の席入が済んだことを伝えます。とはいっても拝見の時間がありますので、頃合いを見て、亭主は挨拶に入ります。
お詰めの拝見が終わりましたら、全員改めて着座します。
③挨拶
席主からそれぞれに挨拶があります。
懐石では扇子を仕舞いません。右膝脇に出しておきます。席主が入ってきたら、さっと縁外三目に置き、亭主の挨拶を待ちます。自分の番になったら一礼し、「本日はお招きいただきありがとうございます」と挨拶します。時候の挨拶などは正客が済ませてしまいますので、連客は簡単に日頃の感謝をいたしましょう。前の人と同じことを言わないように気を付けましょう。終わりましたら一礼します。
全員への挨拶が終わりますと、席主は「それでは粗飯を差し上げます」と挨拶をしますので、総礼します。
本来はここで炭点前が行われます。
④配膳
正客の分は席主または亭主が運びます。
運ばれて来たら、一礼し、一膝でて、右手、左手と膳に手を添え受け取ります。膳を三目出して膝前に置き、一礼します。
⑤会食
お詰めまで配膳が終わりましたら、席主が「不加減ではございますが、お召し上がりを」と言って退座します。
正客が「それはみなさまご一緒に」と言い、連客は「御相伴させていただきます」と挨拶をします。
先ず、飯椀の蓋を取り、汁椀の蓋を重ねます。蓋の置く位置は、右横向こう寄りです。
懐石の箸は杉の両削ぎで、充分に水に浸してありますので、汁に浸ける必要がありませんから、飯を一口、汁を一口いただきます。できるだけ早めに汁を吸い切り、飯を一口残します(この時は残さずともよい)。吸い切ったら、汁椀の蓋をします。
お詰めは特に汁椀を吸い切るときは、「ずずずっ!」と音を立てます。この音で、亭主は吸い切ったことを知るからです。
⑥酒
亭主は銚子と盃台を持って入ります。盃台は次取りで回します。
この時、飯櫃がでますので、員数分、ご飯を取り、詰めは取きります。
ご飯を取ったら、汁椀を下げてもらい、汁替えをします。
やはり、汁は早めに吸い切ります。ご飯は食べきっても構いません。
⑦煮物
正客の分だけ煮物椀を持ってきます。連客は、長盆で数出しです。
煮物椀は、膳外の向付き正面に置き、一礼します。
煮物椀の蓋は、飯椀に伏せます(流派によっては横に置きます)。一口汁を賞味して、中身をいただきます。
懐紙で向付を拭きます。
ここで客同士、酒を注ぎ合います(立ち上がらず両隣へ)。
⑧焼物
亭主は焼物を鉢で、青竹の菜箸を添えて出します。
客は、一つずつ、向付に取り、お詰めは鉢を自分の前の勝手付に寄せます。
この時、飯櫃が出ますので、要る分だけ取ります。最低一口は取りましょう。ご飯は一口分(3分の1)残します。
ご飯を取ったら、替え汁を正客にたずねられますので、辞退します。
⑦強肴(しいざかな)
亭主は汁が吸いきられ、煮物が終わったころを見計らって、強肴を出します。
鉢で員数分ありますので、向付か煮物椀の蓋に取ります。
この際、預け徳利が出ます。亭主が注いでまわり、正客に預けます。
預け徳利の場合は、ぐい呑みがでることがあります。
詰めは席を立ち、酌をして回ります。
⑧相伴
お詰めまで鉢が回ったら、正客が亭主に「ご一緒にいかがですか」と言い、亭主は「勝手にて御相伴にあずかります」と
いって退席。水屋側で食事を取ります。
亭主が下がったら、お詰めは盃台を正客に戻します。次取といって、手回しをする流派と、戻しといって詰めがにじり出て戻す流派とあるようです。
この時、お詰めは空いた鉢や徳利などを給仕口に戻します。
食べ終わったら(ご飯は一口残しておく)、飯椀・汁椀・煮物椀に蓋をします。煮物椀の蓋は懐紙で拭っておきます。
⑨挨拶
頃合いを見て、亭主は顔を出し、「お粗末さまでした」と言う。空いた鉢や徳利などを片付けます。
吸物椀(箸洗)を持って出て、煮物椀を下げます。
⑩八寸
八寸を持ち出して、海物を吸物椀蓋に取り、酌をして回り、再び正客に戻りましたら、正客は亭主に盃の持ち出しを勧め、亭主は「お流れを」と言って、盃をお借りして、返盃を受けます(酌は次客が行う)。山の物を吸物椀蓋に取り、正客に渡し、正客の盃を借りて次客に渡します。これを千鳥と言います。詰めまで終わったら、亭主は正客に盃を返し、酌をします。
正客は頃合いを見て、亭主に酒を注ぎ、納盃の挨拶をします。
⑪湯桶
亭主は続いて、香の物と湯桶を出します。客は飯椀と汁椀の蓋を空け、香の物は飯椀の蓋に取り、湯桶を汁椀と飯椀に汲みます。沢庵で椀を綺麗にして、白湯を飲み干します。
⑫清め
終わりましたら、箸を懐紙で拭き、右側に箸を少し出して置きます(都流では本来左側です)。
向付を懐紙で清め、飯椀・汁椀を重ね、蓋を重ねて盃を重ねます(正客は盃を返していますから盃は載りません)。
⑬落し
正客は詰めまで全員が拭き終ったら、「ご一緒に」と声を掛けて、全員で箸を落します。
この箸を落とす音で、亭主は再び出てきて「お粗末さまでした」と挨拶します。客は「御馳走さまでした」と答え、亭主は香の物鉢と湯桶を下げ、膳を片します。お詰めのみ、立って膳を給仕口まで運び、亭主に渡します。
箸を持ち上げて落とす流儀もあり、ウチのように左側に箸を出したり、右側に箸を出したりと様々なので、周囲の様子を伺い、手を掛けておくといいかな?と思います。
⑭菓子
茶事で濃茶を催す場合は、亭主はそのまま縁高を持って正客の前に坐り、中立の挨拶をして給仕口を閉めます。
客は菓子を食して、中立します。
⑮中立
中立は席退と同じです。これを名残の拝見と言います。
懐石に先だって炭点前をするのが一般的ですので、こののちの設えが多少変わるため、このようにいたします。
中立後は本来腰掛待合にて、座が清まるのを待ちます。