茶巾は「新しきよし」とされる茶の湯では消耗品とされるものになります。

 意外と知られていませんが、茶巾にも真・行・草があります。

 真の茶巾は裁ち切りで、かがり縫いがありません。
 行の茶巾は片端かがり縫いで、表裏があります。
 草の茶巾は両端かがり縫いで表裏をなくします。

 元々は茶巾は一回しか用いなかったもののようです(使い捨てではなく)。
 当流では茶巾は二回使ったら洗うことになっていまして、現在はそのまま二回ですが、昔は表裏の畳み返しがあったそうで、それで二回という習慣になっているのだそうです。

 素材は奈良晒などの麻布が多く、表千家、裏千家は曲尺で長さ一尺(30.3cm)幅五寸(15.2cm)。武者小路千家の茶巾は、鯨尺で八寸(30.3cm)幅の麻の布を、三寸三分(12.5cm)。

 奈良晒以外ですと、保田地というものもあるようです。
 近年は表千家の茶巾の縫い目は竹節というかがりではないものになっているようですね。

 真や行の茶巾は茶盌には仕込まず、洗皿などで持ち出します。
 ですから一般的な茶席では用いません。

 ちなみに、この茶巾は「中茶巾」と呼ばれます。

 大茶巾というのは、一尺四方のもの。小茶巾というのは三分の二程度(六寸六分×三寸三分)のものです。

 当流では小茶巾を濃茶の飲み口を拭くのに用います。
 近年では紙小茶巾を用意して提供するようになっていますが、御稽古では勿体ないので、古くなった中茶巾を裂いて小茶巾を作ります(笑)
 この小茶巾を載せておくのが「茶巾台(茶巾落し)」と呼ばれるものです。

 こちらは、先日買い求めた寛斎作溜塗杉板茶巾台です。
 日曜日の「お茶会へ行こう」でデビューさせました♪