あまり茶道とは関係ないのですが、要望のありました「漢字とひらがなでの意味の違い」です。
ざっとこれだけあります。
同訓異字語も例として挙げています。同訓異字語は現在ほとんど使われていませんが、使い分けると文章がぐっと深くなります。注意深く考えると、普段使っている言葉でも漢字でその意味で使っていたりします。日本語と漢字の関係は本当に面白いです。
■いう(言う)
・漢字
「思ったことを言葉で表す、述べる」の意
例:あえて言えば、言うまでもなく、はっきり言って
・ひらがな
「言う」の実質的な意味が薄れ助詞的な使い方の場合(迷ったらひらがな)
例:~という人、どちらかといえば、経験がものをいう
・その他
「云う」、「謂う」は常用外。
云う⇒ひらがなで用いられるのは主にこの「云う」。
例:何と云っても、その点から云えば、~と云われている、~と云えよう・耳ががんがん云う
謂う⇒称する、いわゆる
例:車とは自動車を謂う、~と謂うところの
■いく(行く)
・漢字
「距離的・時間的に遠ざかる」の意
例:学校へ行く、行き先
・ひらがな
「物事が進む」意
例:減っていく、満足がいく、~していく
■いただく(頂く)
・漢字
「もらう・のせる」の意
例:頂き物、賞状を頂く、雪を頂く
・ひらがな
「~してもらう・~する」意
例:出席していただく、~させていただく
・その他
「戴く」は常用外。
戴く⇒ありがたく受け取る、祀り上げる
例:お土産を戴く、主君を戴く、王冠を戴く
■ください(下さい)
・漢字
「物を受け取る」の意
例:お手紙を下さい、しばらくの猶予を下さい
・ひらがな
他の人に動作を依頼するときやその人に対する敬意を表現する場合の補助動詞
例:~してください、ご了承ください
■くる(来る)
・漢字
「距離的・時間的に近づく」の意
例:朝が来る、台風が来る
・ひらがな
「ある状態に至る」の意
例:頭にくる、帰ってくる、~してくる
■こと(事)
・漢字
具体的な事例を表す場合、実質名詞
例:争い事、事細かに、事もあろうに、研究している事
・ひらがな
抽象的な内容を表す場合、形式名詞
例:読まないことにする、うまいことを言う、急ぐことはない
■ため(為)
・漢字
成語や体言止めの場合にのみ使う(古文や古語にしか使わない)
例:誰が為(たがため)
・ひらがな
原則的にすべてひらがな表記
例:ためになる本、そのため
■できる(出来る)
・漢字
名詞全般
例:出来合い、出来上がり、出来事、出来高、出来得る限り
・ひらがな
動詞・副詞全般
例:~できる、できる限り、橋ができる
■とき(時)
・漢字
時期・時刻を示す場合
例:時と場合、時には
・ひらがな
条件・場合を示す場合
例:事故が起きたときには、社員を採用するときは
■ところ(所)
・漢字
「位置・場所」の意
例:至る所、所狭し、所々、所変われば
・ひらがな
上記以外の意味で使う場合、誤読の恐れがある場合
例:今のところ、勝負どころ、望むところだ
■みる(見る)
・漢字
「感覚で探りとる・世話をする」の意、一般動詞
例:調子を見る、面倒を見る、様子を見る
・ひらがな
動詞の連用形+助詞「て」を受ける場合
例:考えてみる、朝起きてみれば、私としてみれば
・その他
「観る」「診る」「看る」「視る」「監る」「覧る」「瞻る」「胥る」「瞥る」「覗る」「矚る」「瞰る」「鑑る」などは常用外。
観る⇒観賞する、観察する
例:演劇を観る、様子を観る、番組を観る
診る⇒診察する
例:患者を診る、脈を診る
看る⇒看護する、手をかける、介抱する、世話をする
例:病人を看る、子供を看る
視る⇒注目してみる、視察する、注視する、よく注意して調査する
例:現場を視る、テレビを視る
監る⇒監督する、見張る、取り締まる、上からみる
例:囚人を監る、部下の仕事ぶりを監る
省る⇒目を細くして注意深くみる
例:鏡の自分を省る、小さい字を省る
覧る⇒ひととおり目を通す、見渡す、高いところからみまわす、あまねくみてまわる
例:表を覧る、中吊り広告を覧る、掲示板を覧る
瞻る⇒低いところから高い物を見上げる、めをあげてみる
例:富士山を瞻る、優勝旗を瞻る
胥る⇒比べて品定めする
例:性能を胥る、成績を胥る
瞥る⇒ちらりとみる
例:振り返りざまに彼女を瞥る
覗る⇒のぞきみる、うかがう
例:鍵穴から中を覗る
矚る⇒みつめる、注目する、嘱目する
例:将来有望な人物だと矚る
瞰る⇒みおろす、俯瞰する、鳥瞰する
例:時局を瞰る、大局を瞰る、図面を瞰る
鑑る⇒鑑定する
例:骨董品を鑑る
眄る⇒流し目でみる
例:カウンターから彼を眄る
覲る⇒天子(皇帝・天皇・将軍など)が臣下を謁見する
例:(元服した大名などの後嗣を)将軍が覲る
閲る⇒いちいちあたって、内容・数などをたしかめる。
例:文章を閲る、記事を閲る
題る⇒まっすぐにみつめる
例:床に掛かった軸を題る
廻る⇒巡回する
例:警邏が廻る
■めぐる(巡る)
・漢字
「回る・囲む」の意、一定または特定の場所をまわる、巡回する
例:巡りあい、名所巡り、血の巡り
・ひらがな
「~について・~に関連して」の意
例:彼をめぐる噂、~をめぐる問題
・その他
「廻る」「回る」は常用外
廻る⇒何かの周りを一周して戻ってくる、みまわる
例:日本を廻る、海を廻る、季節が廻る
回る⇒自分を中心に回転する⇒回(まわ)ると誤読するためひらがなにする
例:彼を回る噂、~を回る問題
■もの(物)
・漢字
物体・事柄・対象を漠然と表す場合、接頭語
例:物思い、物まね、物足りない、物々しい、物は試し、食べ物
・ひらがな
形容詞全般
例:~というものは、比べものにならない
・その他
人または擬人化できるもののみ「者」
ざっとこれだけあります。
同訓異字語も例として挙げています。同訓異字語は現在ほとんど使われていませんが、使い分けると文章がぐっと深くなります。注意深く考えると、普段使っている言葉でも漢字でその意味で使っていたりします。日本語と漢字の関係は本当に面白いです。
■いう(言う)
・漢字
「思ったことを言葉で表す、述べる」の意
例:あえて言えば、言うまでもなく、はっきり言って
・ひらがな
「言う」の実質的な意味が薄れ助詞的な使い方の場合(迷ったらひらがな)
例:~という人、どちらかといえば、経験がものをいう
・その他
「云う」、「謂う」は常用外。
云う⇒ひらがなで用いられるのは主にこの「云う」。
例:何と云っても、その点から云えば、~と云われている、~と云えよう・耳ががんがん云う
謂う⇒称する、いわゆる
例:車とは自動車を謂う、~と謂うところの
■いく(行く)
・漢字
「距離的・時間的に遠ざかる」の意
例:学校へ行く、行き先
・ひらがな
「物事が進む」意
例:減っていく、満足がいく、~していく
■いただく(頂く)
・漢字
「もらう・のせる」の意
例:頂き物、賞状を頂く、雪を頂く
・ひらがな
「~してもらう・~する」意
例:出席していただく、~させていただく
・その他
「戴く」は常用外。
戴く⇒ありがたく受け取る、祀り上げる
例:お土産を戴く、主君を戴く、王冠を戴く
■ください(下さい)
・漢字
「物を受け取る」の意
例:お手紙を下さい、しばらくの猶予を下さい
・ひらがな
他の人に動作を依頼するときやその人に対する敬意を表現する場合の補助動詞
例:~してください、ご了承ください
■くる(来る)
・漢字
「距離的・時間的に近づく」の意
例:朝が来る、台風が来る
・ひらがな
「ある状態に至る」の意
例:頭にくる、帰ってくる、~してくる
■こと(事)
・漢字
具体的な事例を表す場合、実質名詞
例:争い事、事細かに、事もあろうに、研究している事
・ひらがな
抽象的な内容を表す場合、形式名詞
例:読まないことにする、うまいことを言う、急ぐことはない
■ため(為)
・漢字
成語や体言止めの場合にのみ使う(古文や古語にしか使わない)
例:誰が為(たがため)
・ひらがな
原則的にすべてひらがな表記
例:ためになる本、そのため
■できる(出来る)
・漢字
名詞全般
例:出来合い、出来上がり、出来事、出来高、出来得る限り
・ひらがな
動詞・副詞全般
例:~できる、できる限り、橋ができる
■とき(時)
・漢字
時期・時刻を示す場合
例:時と場合、時には
・ひらがな
条件・場合を示す場合
例:事故が起きたときには、社員を採用するときは
■ところ(所)
・漢字
「位置・場所」の意
例:至る所、所狭し、所々、所変われば
・ひらがな
上記以外の意味で使う場合、誤読の恐れがある場合
例:今のところ、勝負どころ、望むところだ
■みる(見る)
・漢字
「感覚で探りとる・世話をする」の意、一般動詞
例:調子を見る、面倒を見る、様子を見る
・ひらがな
動詞の連用形+助詞「て」を受ける場合
例:考えてみる、朝起きてみれば、私としてみれば
・その他
「観る」「診る」「看る」「視る」「監る」「覧る」「瞻る」「胥る」「瞥る」「覗る」「矚る」「瞰る」「鑑る」などは常用外。
観る⇒観賞する、観察する
例:演劇を観る、様子を観る、番組を観る
診る⇒診察する
例:患者を診る、脈を診る
看る⇒看護する、手をかける、介抱する、世話をする
例:病人を看る、子供を看る
視る⇒注目してみる、視察する、注視する、よく注意して調査する
例:現場を視る、テレビを視る
監る⇒監督する、見張る、取り締まる、上からみる
例:囚人を監る、部下の仕事ぶりを監る
省る⇒目を細くして注意深くみる
例:鏡の自分を省る、小さい字を省る
覧る⇒ひととおり目を通す、見渡す、高いところからみまわす、あまねくみてまわる
例:表を覧る、中吊り広告を覧る、掲示板を覧る
瞻る⇒低いところから高い物を見上げる、めをあげてみる
例:富士山を瞻る、優勝旗を瞻る
胥る⇒比べて品定めする
例:性能を胥る、成績を胥る
瞥る⇒ちらりとみる
例:振り返りざまに彼女を瞥る
覗る⇒のぞきみる、うかがう
例:鍵穴から中を覗る
矚る⇒みつめる、注目する、嘱目する
例:将来有望な人物だと矚る
瞰る⇒みおろす、俯瞰する、鳥瞰する
例:時局を瞰る、大局を瞰る、図面を瞰る
鑑る⇒鑑定する
例:骨董品を鑑る
眄る⇒流し目でみる
例:カウンターから彼を眄る
覲る⇒天子(皇帝・天皇・将軍など)が臣下を謁見する
例:(元服した大名などの後嗣を)将軍が覲る
閲る⇒いちいちあたって、内容・数などをたしかめる。
例:文章を閲る、記事を閲る
題る⇒まっすぐにみつめる
例:床に掛かった軸を題る
廻る⇒巡回する
例:警邏が廻る
■めぐる(巡る)
・漢字
「回る・囲む」の意、一定または特定の場所をまわる、巡回する
例:巡りあい、名所巡り、血の巡り
・ひらがな
「~について・~に関連して」の意
例:彼をめぐる噂、~をめぐる問題
・その他
「廻る」「回る」は常用外
廻る⇒何かの周りを一周して戻ってくる、みまわる
例:日本を廻る、海を廻る、季節が廻る
回る⇒自分を中心に回転する⇒回(まわ)ると誤読するためひらがなにする
例:彼を回る噂、~を回る問題
■もの(物)
・漢字
物体・事柄・対象を漠然と表す場合、接頭語
例:物思い、物まね、物足りない、物々しい、物は試し、食べ物
・ひらがな
形容詞全般
例:~というものは、比べものにならない
・その他
人または擬人化できるもののみ「者」