昔は、稽古に行くのに必ず「やわらかもの」を着たそうですが、現代では和服自体が「余所行き着」になってしまっていますので、御稽古でも、紬などを着られる方が増えています。

「やわらかもの」は生地がやわらかいため、洋服のような「直線的な動き」でも衣服が突っ張ることがなく、自然に動けるのですが、紬などではそうは行きません。
夏の麻などを着ても同様です。

これは、現代の日本人の動きが洋服になれ「直線的な動き」をするからなのです。

ではどうするか。
元々日本人の所作が美しいとされてきたのは「円の動き」を基本にしていたからです。
つまり、スッスッと直線的な動きをせず、円の動きを意識して手を動かしてみてください。
肱(ひじ=外側のひじ)、肩、手首、股(もも=太もものつけ根)、膝、足首、の関節を中心に右で取りに行くときは反時計回り、帰るときは時計回り。左で取りに行くときは時計回り、帰るときは反時計回り。

これだけで、随分袂の捌きが変わります。
また、立居振舞でも同じことが言えます。
正坐から立ち上がるときも袴を軽く膝で内側から外側に円を描くように払ってあげると、立ちやすくなります。

足捌きは踵を軸にして回れ右しちゃったりする人が多いですが、これはNGです。
足の向きを変えて、ベタ足でゆっくりと回っていきます。
拳法や剣道の足捌きと同じですね。

和服は「円の動き」を意識してみてください。
そうすると、紬でも全く動きにくいことはなくなるはずです。