必須の七つ道具をまず紹介しましたので、次はあったら便利な七つ道具です(笑)
あったら便利なだけであり、なくてこまる!というものではないですね。
とくに「残肴入」はお茶事の時が主役ですので、お茶会では要らないかも?^^)b

(1)小物入【こものいれ】
 小物入は男性は不要かもしれませんが、日常的に装飾品を着ける女性はほぼ全員必要です。

 特に指輪・ネックレス・時計・腕輪などは、茶道では絶対厳禁なので、本来は寄付や待合で外して席入りします。基本的に和服を着る時は、最初から身に着けない方がいいでしょう(笑)

 女性は支那三角という「小物入れ」が場所を取らずいいです。
 これは、舟形の生地を三枚縫い合わせた「小物入」で指で押すと口の開くタイプです。日本でも300円(税別)ぐらいで買えるものですが、支那土産としてアクセサリーを身に着ける女性には人気があったりします。
 私もよく買ってきては、配ってました(笑)

 まだ数個残っているので、お弟子さんになられた方には差し上げようかなと思ってます。


(2)硫酸紙【りゅうさんし】
 硫酸紙というのは、紙の繊維を硫酸で溶かして水が通らなくなったもののことで、懐紙の上に敷き、お菓子が懐紙にひっつかないようにするためのものです。トレーシングペーパーのように薄く透けていて、耐水性・耐油性があります。
 「水饅頭(みずまんじゅう)」などにも使います。

 ちなみに、「水菓子」とは「果物」のことで、ゼリーや寒天などを「水饅頭」といいます。
 これはよく間違えている人がいるので(私も昔は知りませんでした)、気を付けましょう!

 硫酸紙の変わった使い方としては、懐紙をめくりやすくするために、一枚おきに挟んでおくという方法もあるようですよ。私としてはこれをやると懐紙の束が滑りやすくバラバラになりやすくなるので、あまりお勧めではないですが(笑)


(3)袋懐紙【ふくろかいし】
 別名「大徳袋(だいとくぶくろ)」。
 残ったお菓子や懐石の残肴を入れるもので、懐紙を袋状にしたものです。
 袖落しを使わずにそのまま袖や袂に入れる人もいますが、私はやめた方がいいと思います。
 

(4)残肴入【ざんこういれ】・袖落とし【そでおとし】・袂落し【たもとおとし】
 「残肴入」は折り畳み型の箱で、表面に裂地や帯地を貼ってあります。
 女性ならば数寄屋袋にしまっておき、男性ならば懐にしまっておきましょう。
 使うときに取り出して残肴や菓子を「袋懐紙」または「懐紙」に包んでから入れ、左手奥へ置きます。まだ使うような場合(懐石のとき)は右手脇膝前に置きます。

 「袖落し」は茶巾絞り型のもので、裂地や帯地で作られています。
 女性は「袖落し」を懐(ふところ)か「数寄屋袋」にしまっておき、残肴や菓子を「袋懐紙」または「懐紙」で包んでから入れ、袖または「数寄屋袋」に戻します。
 使い終わった懐紙を入れたりもします。

 男性が「袖落し」を使っているのをあまり見たことはありません(笑)
 男性の場合は「袂落し」を付けてその中に使い終わった懐紙を入れるのがいいかもしれません。「袂落し」は煙草などを入れておくにもいいです。携帯を入れておくこともできますし、小銭入れになっているものおおいので、和装男性には必需品かも。

(5)紙小茶巾【かみこぢゃきん】
 これはお裏さんの小道具なのですが、私は好んで使っています。
 濃茶を飲んだ後の茶盌を清めるために用いられる小布で、素材は麻が主だそうですが、不織布製の「紙小茶巾」を使います。
 濡らして使いますので、濡らして「小茶巾入れ(こぢゃきんいれ)」に入れて「懐紙」と一緒に「懐」に入れておきます。

 当流では「茶巾落し(ちゃきんおとし)」の上に「紙小茶巾」を用意して回しますので、流派のお茶会では不要です。
 表千家流では本来「懐紙」で拭くのが正式です。


(11)数寄屋袋【すきやぶくろ】
 客として招かれたときに、「帛紗挾」や熨斗袋や財布などを入れておくものです。
 貴重品(指輪・時計)などは身に着けておけませんので「数寄屋袋」にしまいます(普通は「小物入」に入れてからしまいます)。
 男性用と女性用がありますが、男性は信玄袋などで代用できます。女性は小さなハンドバッグを代用することも多いです。


(12)足袋入【たびいれ】
 茶席にはできるだけ新しい足袋で入ることが礼儀とされておりますので、替え足袋を持ち歩くことがあります(足元が悪い時など)。その際には「足袋入」に入れて持ち歩きます。

 ときどき「数寄屋袋」に入れる方がいますが、「数寄屋袋」に足袋を入れるのは足を口に突っ込むのと同じですので、辞めましょう。

 下足場や寄付、待合などで履き替えると迷惑ですので、入場したら手水場で替えるのがいいでしょう。