NYにも、ようやく春の香りが、漂い始めました。
肌を柔らかく包み込む暖かい風、いきいきとした緑をまとう木々。 広々としたプロスペクトパーク(ブルックリンにあるセントラルパークのような存在)の中を、すがすがしい顔でジョギングする人々。
いいですね。 心が、知らず知らずのうちに、うきうきしてきます。

さ、そんな楽しい春にも、困った出来事が。
昨年の終わり頃から、サルサを習い始めたんです。 前から、習いたかったのですが、ダンススタジオのドアをくぐるのって、結構勇気がいりますよね。 
いや、あの素晴らしい映画、Shall we dance?での、主人公の気持ちが、よくわかります。

なにを、きっかけではじめたのかというと、二つほどあります。
一つは、昨年いったスペインで、出会った友達に紹介してもらったこと。
そして、なによりも、周囲の友人が、結婚したり、引っ越ししたりで、友達との交わりが少なくなり、人とのスキンシップをはかりたかったことでしょうか。

NYは、孤独感にとらわれやすい街です。 皆、夢、仕事、友達、恋人を、日々の羅針盤としています。 ある意味、それらは、ニューヨーカーにとっては、宗教的な要素をもっています。 というのも、一度、その羅針盤を失った時は、無人島に取り残されたような感じがするからです。

さて、壊れかけた羅針盤を直すべく始めたサルサですが、いやー、楽しいです。
まだ、クラスに通うばかりで、上手な人ばかりの踊るダンスクラブに行って踊る勇気はありませんが、今度、通っているダンスの先生の主催で、初心者向けの社交サルサダンスパーティーがあるので、参加するつもりです。

その社交パーティーに向け、他のスタジオにもかよい、一生懸命練習しているのですが、春の惨事は、その時に、おこりました。
クラスは、8人程の小さなクラスで、男女四人ずつで、バランスのとれたいいクラスです。 
このクラスでは、先生は、二人つきます。 サルサは、男性が、リードして、どれだけ、一緒に踊る女性をきれいに見せられるかということにつきます。
パートナーワークの練習をする時は、男性陣と女性陣にわけ、男性がリードのための動きを女性が、それにあわせたターンやスタイリングをと、それぞれに先生が付き教えてくれます。

ちなみに、男性の先生は、ラテン系アメリカ人ですが、以前、大阪でダンスを教えていたということで、関西弁がぺらぺらです。

さ、いざ、リードの反復練習をして、女性とパートナーをくみ踊ります。 パートナーを組んだ女の子は、小柄の白人女性で、金髪に青い目のかわいい女の子です。 いやー、いいですね。

初心者向けのゆっくりとしたテンポのサルサの曲が、春の暖かい日差しで蒸した部屋に、広がります。
笑顔で、パートナーとコミュニケーションを、とりながらベーシックステップ。 そして、いよいよ、女性をリードして、ターンへと。 彼女は、軽やかなステップから金髪をなびかせ、ターンをするため、腕をあげふりむくその時、ものすごい腋臭の匂いが、、、

この時の、ダンスミラーに移った僕の表情は、ピカソの絵のようでした。 残りのダンスは、息の続くかぎり、呼吸を止め、水泳でもして、肺活量をたかめなければなどと、アホなことを考えながら、なんとか踊りおえましたが、さすがに、彼女に忠告はできませんでした。

楽しい春。 辛い春。 新しい季節のはじまりです。 がんばりましょう。