しょうがないなー | DJ Toshi⭐ ~ 琥珀色の独り言 ~

DJ Toshi⭐ ~ 琥珀色の独り言 ~

4歳から息子を育ててるシングルファーザーです。
生活の中で起こる楽しみ、困りごと、政治、経済、理不尽な世の中へたまに真剣に語ります。
長いので時間があるときにゆるーく楽しんでください♪

 

 

 

 

僕は小学三年生。

 

弟と妹の三人兄弟。

 

僕のお父さんはいません。

お母さんと4人暮らしです。

 

 

お母さんは料理が上手で

いつも美味しいご飯を作ってくれます。


野菜が苦手だけど

お母さんの料理だけは美味しいです。

 

僕がお代わりしたいときでもたくさんあります。

足りないときは別のものを作ってくれる優しいお母さんです。

 

 





ある日お母さんが病気になって入院しました。

 


そして本当のお父さんという人がうちに来ました。

 

僕たちのことはいつもお母さんから聞いていたそうです。

 

 

初めて会ったお父さんに僕たちは緊張していましたがお父さんは優しく接してくれました。

 

 

お父さんもご飯を作れます。

 

ちょっと不器用でお母さんより美味しくないけど

ありがたいなーと思いました。

 


僕はたくさん食べるからお代わりしようとしたら

 

『もうないよ』

と言われました。

 

しょうがないなと思って我慢しました。

 

 

お父さんの料理はほとんど同じものでした。

それもしょうがないなと思いました。

でも弟と妹はあまり食べなくなりました。

 

 

それから段々と量も減っていきました。

僕がもっとたくさん食べたいと言うとお父さんは

 

『おかずを買うお金が少ないんだよ』

と言いました。

 

僕はびっくりしてそれならしょうがないと思いました。

 

 

でもお父さんはピカピカの車に乗って

カッコいいスーツを着てお仕事をしています。

 

お金持ちそうに見えるけどなーと思いました。

それをお父さんに聞きました。

 

『お父さんもお金がないんだよ。

みんながお手伝いをたくさんしてくれたら頑張るね。』

 

それならしょうがないなーと思って

そうじや洗濯ものを畳んだり

食器を洗ったりしました。

 

ご飯の作り方も教えてもらいたかったけど

危ないからダメだってお父さんが言いました。

 

 

でもたくさん頑張ったけどご飯は増えませんでした。

 

 

 

あるとき僕の筆箱が壊れたので

新しいのがほしいと思いました。

 

お父さんもお金がないから

僕がしまっておいたお年玉で買おうと思いました。

 

 

机の引き出しにしまってあったはずなのに

無くなっていました。

 

すごく困ったなと思ってお父さんに言いました。

 

『みんなのご飯を買うために使わせてもらったよ。

 筆箱よりご飯を食べなきゃ生きられないだろ?』

 

確かにそうだなーと思って

筆箱はテープで直して使おうと思いました。

 

 

それからお父さんは僕たちに言いました。

 

『みんな、お年玉は全部出してね。

 ご飯を買うためにお父さんが使うからね。』

 

弟と妹もお年玉を出しました。

これでお腹いっぱいご飯が食べられると思いました。

 

その夜はたくさん作ってくれて嬉しかったです。

 

でもその次からまた前と同じ量に戻りました。

 

僕たちのお金が足りなくなったのかなーと心配になりました。

でもお金がないお父さんには言えませんでした。

 

 

あるとき弟が病気になりました。

たぶん風邪だとお父さんは言いました。

 

風邪なら病院に行かなくても

寝ていれば治ると言って弟を寝かせました。

 

すごく高い熱が出て心配でした。

苦しそうにして一週間ぐらい寝ていました。

でも少しずつ治ってきて安心しました。

 

 

『ほらね、病院に行かなくても治るんだよ。』

とお父さんは言いました。

 

お薬を飲んだほうが早く治るんじゃないかなーと僕は思いました。

 

でもお金がないって言ってたからお父さんに言いませんでした。

 

 

ある日、お父さんが言いました。

『ほら見て。新しい車を買ったよ。ピカピカですごいだろ。』

 

僕にはわからないけどすごく高そうな新しい車でした。

お父さんはすごく喜んでいました。

 

お金がないって言ってたけど

どうして買えるのか不思議でした。

でもきっとご飯に使うお金じゃないんだろうなーと思いました。

 

 

僕と弟と妹はいつもお腹が空いてたから

隣のおばさんがよくお菓子をくれました。

すごく優しいおばさんでたまにおにぎりもくれました。

 

お父さんには言いませんでした。

お金がないのを気にするだろうなーと思いました。

 

お父さんは僕たちのために頑張ってるんだ。

 

僕たちが頑張らないとダメだと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

小学三年生の頃、

 

そんな風に思っていた少年も成人した。

 

仕事はアルバイトか不正規労働しかなく

就職氷河期世代より酷い世の中。

 

 

お金がないと言っていた国の税収は過去最高。

 

大企業の純利益も過去最高を更新中。

 

輸入原材料の高騰。

 

それによるコストプッシュインフレで

デフレが解消したと話すマスコミ。

 

 

それでもまだプライマリーバランスを黒字化すると言って

あらゆる税金を上げる法律を作り続ける政府。

 

国民一人の税負担率は実質50%を超えた。

 

 

 

社会保障のためだと増税されたはずが

社会保険負担を増大された。

 

アメリカから言われるがまま

戦後最大のお金を使って武器を言い値で買わされ、

 

経団連の主導の基、

自国で製造、販売、使用までもさせ

軍需産業を確立させようとしている今。

 

 

 

 

 

お金がなくても納税は義務。

 

 

あの頃みたいに

しょうがないなーと思う?

 

 

政治ってなに?

 

僕たちを助けない政治って必要ある?

 

国民を助けて繁栄させるのが政治の役割でしょ?

 

どうして酷い目に合わせる?

 

 

 

ただ美味しいご飯をたくさん食べたかったあの少年。

 

彼の目に映るテレビの中の総理大臣は、

 

あの頃の自分の父親にダブって見えた…

 

 

 

 

 

 

 

~あとがき~

 

皆さま、お久しぶりです。

更新しなくなってずいぶん経ちます。

いろんなことがありすぎてバタバタしてました。

またたまには更新します。

よろしくお願いします。

 

DJ Toshi