作家は世界を構築し
詩を添えた
ジャーナリストになり
パイロットになり
准将になり
心理学者になる
ひとつの舞台が整ったともいえるが
虚構にとどまらない深さを見せる
こんなにも明確な文章なのに
見極めがたい世界と人のあり方
よく晴れた日に遠くの高い山々がみえていても
その険しさと厳しさをどうしても知りえないような
同時に存在しているゆえに異次元ともいえない空間
認識機構がことなるゆえに生命体かも判然としない侵略者
意思疎通のために神出鬼没に切り取られる時間
何度読んでもわからないが
何度も読ませるクセのなさ
予想されうる現実を生きていると思ったとき
それらを断ち切ってくれる世界観と
客観的に内面に切り込む過程を示す
このおどろおどろしい透明感にふれてほしい
「アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風」 神林長平
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一作目「戦闘妖精・雪風」
二作目「グッドラック 戦闘妖精・雪風」
「アンブロークンアロー」は三作目です
