心だか脳だかに
物語でできている部分があって
そこはストーリーだけでなく
タイトルも思い出せない物語のワンシーンや
ある次元の世界で起こりうる不思議な出来事で
構築されている
それらのソースはほとんどが本である
映画や音楽ではなく
あの、「ペラペラしているけど四角い形をもつモノ」である
私の中の「物語でできてる部分」の基盤となっているのが
「あかがね色の絹で装丁された一冊の本」
ミヒャエル・エンデの『果てしない物語』だ
本の中の本
無数に枝分かれするストーリー
本筋の物語さえ
読む者によって変わる
終わらない物語
この本の最後のほうに
「絵の採掘坑」という章がある
本の中の世界の地中深く
人間が見て忘れてしまった夢が埋まっている
それらの上に、世界が成り立っているのだ
私にとって本を読むとはこのイメージだ
読む人に、土を、土壌を与える
何の役に立つかはわからない
役に立たないかもしれない
だけどその人だけが持っている種を
豊かに育てる助けになるかもしれない
正直に言うと
私は本から「これを学んだ」と言えることはない気がしている
勇気をもらうというよりも
本の世界に逃げ込むことのほうが多かった
作者が伝えたいメッセージは
十分の一も受け取れていないかもしれない
それでも本が私を作った
私の世界観にエッセンスが組み込まれた
私がどんなに弱虫で役立たずでも
私がユニークな存在であること
その感覚は揺るがなかった
それが、本に価値があると思う理由
物語を作りたい
あなたの心に、そっと
一枚の絵を置いてこられたらという
ささやかな願いなのです
