ある村に生まれたのです。父が住人だったから。
領主様に皆さん自主的に従っていました。
私の名前も領主様につけてもらって、呪がかかったのです。
それはもちろん守り神であり、どこにいようと共にありました。
人生は旅です。私は村を出て歩いています。
たまに村に帰って領主様にありがとうと言います。
友達の生まれた村に行ってみたり
大きな壁に囲まれた村を遠くから眺めたり。
いつも人を侍らせながら誰をも受け入れる
移動する村もあります。
知人の住むある村に安住を夢見たわけではありません。
何らかの庇護がほしかったのです。
領主様はもちろん人々のためを思い活動する現代的な人でした。
けれども空気と水が合わないといいましょうか
ふるまわれる料理が私の好みではなかったのです。
いまその村を離れました。
その村で着ていた服は脱ぎました。
私は何者かまたわからなくなりました。
それでもこのたくさんの村のある世界が
ひとつの大きな村のようなものだと思って
歩いています。
私はいつだって
新鮮でおいしいものを食べられる。
そう信じて旅をするのです。