四海波静かにて。国も治る時つ風。
謡曲「高砂」の一節。
謡曲(ようきょく)謡(うたい)、知らん人からしたらなんじゃそれ?って感じやないでしょうか?
現存する世界最古の舞台芸術である能の詞章、およびそれに曲節をつけたもの、また、それを謡うこと。
って、調べたらでてくるんやけど、もちっとだけわかりやすく言うと、お能に出てきはるシテやワキなど登場人物の台詞と唄、それと情景や状況、さらには登場人物の心の内を唄で表現するコーラス隊である地謡(じうたい)の謡う歌詞の事って言うたらわかりますやろか。
実は僕、21の時から大倉流小鼓方の久田舜一郎先生、のちに観世流シテ方の寺澤幸祐先生に36歳までの計15年間、謡のお稽古をつけてもらってましてん。
15年なんてたいそうに言うてもうてるけどほんまは月に一回、多くて二回ぐらいのペースでしかお稽古をつけてもらってなかったし、そないに真面目な生徒でもなかったのでその辺のレベルは推して知るべしとこで、、、
とは言え、僕には明確な目的があった。
それは冒頭の「四海波静かにて」、これがほんまに謡いたくて謡いたくて。
そう、それが今回の本題、何故字数だけで言うとたった90文字のこの節を謡いたかったのか?
時は遡り1995年初夏、北海道は最北端稚内の対岸に位置する利尻島。
世界中から約100人近くのランナー達が、ここからスタートし長崎まで走り抜ける「セイクレッドラン95」(セイクレッドランについてはまたおいおい書きますね)に参加する為に集まっていた。
そうした数日の利尻滞在中に何人かのランナー達が誕生日を迎えることになり、そこで参加者それぞれの民族であったり国の言葉、もしくは文化に倣った歌などでお祝いすることに。
実はこういった場面には、89年に旅を始めた頃から数多く出くわしてきた。
どこの国に行っても自分を日本人だと紹介すると、必ず日本ってどんなとこ?日本語喋って?日本の歌を唄って!と。
自分の胸に手を当てよく考えたら、自分たちも知らぬ国から来た外国人に対して同じだけど、、、
でもね、これは僕の経験上なんやけど、大体の国や民族の人たちは自分たちの国や文化のことをきちんとシェアできて、歌に関して言えばほぼ100%自分たちの母国語や民族の言葉での歌を持っていて、その度に僕は自分がいかに日本について知らないかを思い知り、特に歌に関してはコンプレックスに近い感情まで持っていた、何せずっとインディアンの歌唄ってたからね。
日本の歌唄ってよ!って言われて何が思いつく?
誰でも知ってるような「ぞうさん」や「うみ」といった童謡?
ちゃうなぁ
もう少しネームバリューを纏った瀧廉太郎作品?
いや、ちゃうなぁ
ポピュラーだからと言って聖子ちゃんの「赤いスイートピー」?
いやいや、それ完全迷子ww
そこで落ち着くのが「スキヤキソング」として英語圏でも知られた九ちゃんの「上を向いて歩こう」になる訳やけど、
いや〜それもなんだか違う気がするぞ〜
なんぼ有名でも、歴史的にはたかだか戦後の流行歌、、、
これが日本の歌だーって言えるか、ってーとそうでもない気がして。
(勘違いしないでね、どれもみなええ曲やけどコンセプトに合わへんって事)
っとなると、極め付けはジャペェ〜ンのカントリーのソングとされてる「You が Yoh」!!
ノーコメント、、、、
通常ならスキヤキソングで全然かまへんねんけど、お誕生日会とかなると話は別、いったい何人が日本語で日本のお祝いの歌知ってる?
生まれて此の方お誕生日会で歌われてきたのは「ハッピーバースデーつーユー」しか聞いた事ない。
百歩譲って「バースデーソング」と同じメロデーで「おたんじょ〜び〜おめでと〜♫」が関の山。
そんなこんなで、この利尻島でのこの一幕も、多分僕と同じような心境になっていた日本人ランナーは一人や二人じゃなかったはず、、、、
と、そこに登場したのは我が兄貴分の大倉正之助氏。
っと、今日はここまで